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【佐々木則夫 視点】フランス、勝つための“戦術の切り替え”が見事

[ 2018年7月12日 09:56 ]

W杯決勝トーナメント準決勝   フランス1―0ベルギー ( 2018年7月10日    サンクトペテルブルク )

フランス―ベルギー 前半、パンチングでクリアするフランスのGKロリス(右)
Photo By 共同

 フランスの勝つための戦術の切り替えは見事だった。後半6分に先制した後は、攻撃重視からブロックを敷いて守り、ショートカウンターで攻めることを徹底した。4バックとボランチ2人の6人で最終ラインを形成。サイドからの精度の高いクロスを封じ、中も人数をかけてスペースを与えないようにした。ルカクに決定的な仕事をさせず、E・アザールにもドリブルで仕掛けられたのは2〜3回だった。こういう展開で決め手となるのはセットプレー。決勝点の右CKは特別なことはしなかったが、ニアでウンティティが長身DFの前にうまく入って合わせた。終盤もヌゾンジをボランチに入れてキープ力のあるポグバを1列上げるなど、選手の特徴を考えた配置も興味深かった。

 ベルギーの守備も素晴らしかった。守るときは4バックで、左サイドのフェルトンゲンがエムバペにスペースを与えなかった。ボールを奪うと右サイドのシャドリが高い位置を取って3バックで攻め、流動的に戦い、どちらが勝ってもおかしくない試合だった。(元なでしこジャパン監督)

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2018年7月12日のニュース