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若きフランス、20年ぶり世界一へ王手!DFウンティティ主役

[ 2018年7月12日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント準決勝   フランス1―0ベルギー ( 2018年7月10日    サンクトペテルブルク )

フランス―ベルギー 後半、ヘディングで決勝ゴールを決めるフランスのウンティティ(5)(UPI=共同)
Photo By 共同

 守役が主役だ。10日準決勝で、FIFAランク7位のフランスが同3位のベルギーを1―0で下し、06年大会以来3大会ぶり3度目の決勝進出を果たした。DFサミュエル・ウンティティ(24=バルセロナ)が後半6分にCKから先制ゴール。守備でも今大会最多14得点のベルギーを初めて無得点に終わらせた。98年大会以来2度目の優勝を目指し、15日(日本時間16日午前0時)の決勝に臨む。今大会5戦全勝だったベルギーは、初の決勝を逃し、14日(同日午後11時)の3位決定戦に回る。

 世界最高峰の攻撃陣がぶつかり合った一戦で、均衡を破ったのはDFウンティティだった。後半6分の右CK。1メートル83と小柄なセンターバックはニアに走り込み、頭でW杯初ゴール。身長差が11センチもある1メートル94の相手MFフェライニに競り勝ち「身長がそこまで高くない場合はゴールへの意思、相手より前に入るという気持ちが重要だ」と胸を張った。

 本職の守備でも体を張った。Rマドリードの25歳DFバランとの若きセンターバックコンビで、今大会4得点の怪物FWルカクをシュート1本に封じた。「若い選手がチームにエネルギーをもたらしてくれる」とデシャン監督が抜てきしたパバールとエルナンデスの22歳の両サイドバックも、相手キーマンのE・アザールとデブルイネを抑え込んだ。

 2年前のリベンジだ。現在の4バックで唯一、16年欧州選手権に出場した当時22歳のウンティティは、準々決勝アイスランド戦でA代表デビュー。続く準決勝で14年W杯王者ドイツを完封して一躍脚光を浴びた。ポルトガルとの決勝も先発したが、延長の末に0―1で惜敗しており「今度は逆の結果にしたい。フランスにトロフィーを持ち帰りたい」と闘志を燃やす。

 開幕時の平均年齢25・57歳の若いチームは一戦ごとに成長。ベッケンバウアー(西ドイツ)に続き史上2人目の「主将と監督で優勝」という快挙にあと1としたデシャン監督は「彼らの成長を見るのは純粋にうれしい。私は歴史に新しいページ、それも最も美しいページを書き加えるために来た」と高らかに宣言した。

 ≪仏デシャン監督、歴代最多の指揮≫フランスのデシャン監督は準決勝のベルギー戦でW杯通算11試合目の指揮となり同代表監督のW杯最多試合記録を更新。78年と82年大会監督のイダルゴ氏、06年と10年に率いたドメネク氏と10試合で並んでいた。また監督としてベルギーには1分け1敗だったが初勝利。フランスのDFの得点はパバール、バランに続いてウンティティで今大会3人目。初優勝した98年大会もDF3人(リザラズ、ブラン、テュラム)が得点した。また2―1で勝利した準決勝クロアチア戦で全得点を決めたのはDFテュラム。今大会も準決勝の得点はDFウンティティと共通点が多い。

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2018年7月12日のニュース