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【W杯 今日の注目選手】4強で唯一影潜める「10」スターリング いざ1010日ぶりゴール

[ 2018年7月11日 22:00 ]

ロシアW杯準決勝   イングランド―クロアチア ( 2018年7月11日    モスクワ )

スウェーデン戦で競り合うイングランド代表スターリング(手前)(AP)
Photo By AP

 エムバペ、E・アザール、モドリッチ。背番号10でW杯4強入りの立役者、が共通点だ。では、イングランドの10番は?FWラヒーム・スターリング(23=マンチェスター・シティー)には称賛ではなく、容赦ない批判が浴びせられている。

 4試合計335分で無得点1アシスト。シュートわずか7本(枠内1)。準々決勝のスウェーデン戦も決定機を外した。今季はマンCで18得点11アシストを記録したが、17歳でイングランド代表デビューした天才は元々、決定力が課題。代表戦でも15年10月を最後に24試合決めていない。

 だが、ボールを持った瞬間に動きだし、狭いスペースでも抜け出す高速ドリブルは堅守を打ち破り、決定的なチャンスをもたらす。元イングランド代表DFのネビル氏は「スウェーデン戦も常に裏を狙い、素晴らしいパフォーマンスだった」と擁護。敵陣深くでファウルを誘えばイングランド得意のセットプレーにつながるだけに、準決勝で対戦するクロアチアのダリッチ監督も「とても速くてやっかいだ」と最も警戒する選手に挙げた。

 たびたび素行が問題視され、W杯直前には右ふくらはぎにM16自動小銃のタトゥーを入れていることが判明。「代表から外せ」と非難が殺到した。だが、スターリングは2歳の時に父親が射殺されたと明かし、「銃は一生持たないと誓った。僕が右足で打つのはシュートだ」と理由を説明している。その右足で代表戦1010日ぶりのゴールを決めることが、起用し続けてくれたサウスゲート監督への恩返しになる。

 ◆ラヒーム・スターリング 1994年12月8日生まれ、ジャマイカ・キングストン出身の23歳。5歳で母親と英ロンドンへ移住。クイーンズパークの下部組織で育ち、10年に15歳でリバプールと契約。12年3月、17歳でプレミアリーグデビュー。15年に英国人史上最高額の移籍金4900万ポンド(約72億円)でマンチェスターCへ移籍。イングランド代表通算42試合2得点。1メートル70、70キロ。背番号10。

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