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【W杯 今日の注目選手】悪魔のカウンター支えるE・アザール ボールロスト0の神のキープ力

[ 2018年7月10日 15:00 ]

W杯ロシア大会準決勝   ベルギー-フランス ( 2018年7月10日    サンクトペテルブルク )

<ブラジル・ベルギー>前半、競り合うE・アザール(左)(撮影・西尾 大助)
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 日本はベルギー相手に2―0から逃げ切れなかった。ベルギーはブラジル相手に2―0から1失点で逃げ切った。日本に不足していたのは時間を稼ぐボールキープ力。それをドリブルで体現してみせたのが、ベルギーのMFエデン・アザール(27=チェルシー)だ。

 ブラジル戦の終盤、ベルギーは自陣で猛攻を防ぐと背番号10にボールを託した。E・アザールは瞬時の加速で危険なエリアを抜け出し、絶妙なアングルチェンジとボディーターンで相手をかわし、足元に吸いつかせる技術でボールをキープ。カウンターで攻守を逆転させ、ファウルを誘って時間を消費した。所属するチェルシーのツイッターによると、E・アザールはブラジル戦でドリブルを10回仕掛け、ボールロストは何とゼロだった。

 今大会は4試合2得点。爆発すれば「メッシやC・ロナウドのようになる」(かつての同僚ランパード氏)世界屈指のドリブラーに対し、準決勝の相手フランスも警戒度はMAXだ。DFエルナンデスは「メッシはボールに触れなかった。アザールも触れないようにしてやる」と名指しで宣言。日本戦はデブルイネ、ブラジル戦ではルカクが仕掛けた“悪魔の高速カウンター”は本来、E・アザールの十八番(おはこ)だからだ。

 「メッシやロナウドがW杯を去ったので目立つチャンス。決勝へ行きたい。僕らは経験を積んで十分に成熟したから」。チェルシー退団の可能性とRマドリードへの興味を隠さず、レアルも獲得を狙う男の活躍が、ベルギーの初優勝に必須なのは言うまでもない。

 ◆エデン・アザール 1991年1月7日生まれ、ベルギー中西部ラ・ルビエール出身の27歳。14歳でフランス1部リールの下部組織入り。07年に16歳でトップデビュー。10〜11年、11〜12年に2季連続リーグMVP。12年にチェルシー移籍。14〜15年にプレミアリーグMVP。ベルギー代表は14年W杯と16年欧州選手権で8強など通算90試合24得点。1メートル73、74キロ。背番号10。弟トルガン(ボルシアMG)もW杯同国代表。

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2018年7月10日のニュース