×

クロアチア PK戦また勝った!手負い守護神が気迫の仁王立ち

[ 2018年7月9日 05:30 ]

ロシアW杯準々決勝   クロアチア2―2(PK4―3)ロシア ( 2018年7月7日    ソチ )

<クロアチア・ロシア>PK戦でロシアを下し、喜び合うクロアチア代表イレブン。GKスバシッチが下敷きに…(AP)
Photo By AP

 駆け寄った仲間に押しつぶされ、GKスバシッチの姿が見えなくなった。MFモドリッチは仰向けに倒れ、両手で顔を覆う。ダリッチ監督はベンチでスタッフと抱き合い、涙を流した。「普段は泣かないけど、仕方ないだろ?」。追いつき、土壇場で追いつかれ、2試合連続となったPK戦決着。指揮官の涙腺も決壊する死闘の果てにクロアチアが20年ぶりの4強をつかんだ。

 手負いのスバシッチが再び勝利を手繰り寄せた。後半終了間際、味方の触れたボールがゴールラインを割るのを防ごうと飛び出した際、右太腿裏を痛めて倒れ込んだ。だが、チームは既に3人を交代させていたためプレーを続行。延長前半には左膝負傷のDFブルサリコが下がり、4人目の交代枠もなくなったが、モドリッチの「行けるか?」に「もちろん」と応じた。延長後半7分、相手CKをジャンプしてはじくと、続けてきた強烈なシュートを起き上がってキャッチ。まともに跳べない状態で臨んだPK戦でも1人目を左手一本で防ぎ、3人目は前へ出てプレッシャーをかけ、ミスを誘った。

 「俺たちが勝利にふさわしかった」。デンマーク戦でも3本止めた守護神はW杯歴代タイのPK戦計4セーブ。「1大会PK戦2勝」は90年のアルゼンチン以来となった。開催国ロシアの執念を気力ではねのけ、ボバン、プロシネツキ、シュケルらの活躍で3位に入った98年大会以来の準決勝。「英雄以上の存在だった彼らを上回りたい」。決着のPKを決めたMFラキティッチは意気込み、モナコ所属のスバシッチは「決勝でフランスと戦えたら最高」と笑顔で話した。

続きを表示

この記事のフォト

2018年7月9日のニュース