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いよいよW杯8強激突!中田浩二氏が全4試合のポイント解説

[ 2018年7月6日 20:00 ]

フランス戦に向け調整するカセレス(中央)らウルグアイ代表イレブン(AP)
Photo By AP

 W杯ロシア大会は6日午後5時(日本時間午後11時)からニジニーノブゴロドで、5大会ぶりの優勝を目指すフランスとウルグアイの対決を皮切りに準々決勝がスタートする。各試合のポイントを、スポニチ本紙評論家の中田浩二氏(元日本代表DF)が語った。

 【ウルグアイ―フランス】フランス攻撃陣とウルグアイ守備陣の対決だと思う。フランスはFWジルーを起点にMFグリーズマンやFWエムバペが絡む攻撃は破壊力がある。特にエムバペが乗っているだけに、スピードを生かした攻撃がしたい。ボランチのカンテやポグバも効いていて、全体的にバランスも良く、ボールを保持する時間も長くなると思う。

 ウルグアイはCBゴディンを中心とした堅い守備をベースにFWスアレスとカバニの強力2トップがカウンターでゴールを狙うが、先制すればチャンスが出てくる。ポルトガル戦で足を痛めたカバニの回復状況がどうか。エムバペに対してもラインを上げてスペースを与える守り方はしないはずで、うまく封じられればチャンスは出てくる。全体のバランスからフランスの優位は動かないと思う。

 【ブラジル―ベルギー】ともにボールを保持するサッカーだが、どちらが主導権を取るかで勝負が分かれる。3バックのベルギーは両ウイングバックの裏にスペースができるので、そこの攻防が鍵。ブラジルはMFネイマール、MFビリアン、MFコウチーニョらがそのスペースをどう使って攻めるか。ベルギーはMFカラスコ、DFムニエの両ウイングバックとFWのE・アザール、メルテンスがサイドから仕掛けてチャンスをつくり、FWルカクに合わせる。交代選手もブラジルのFWフィルミノ、ベルギーのMFフェライニが点を取っており、ベンチワークも見ものだ。攻撃力に差はないが、守備はベルギーが個で守るのに対してブラジルは組織的で堅い。死角があるとすれば守備のいいボランチのMFカゼミロが出場停止で、代役が機能するか。それでも全体のバランスでブラジルだろう。

 【ロシア―クロアチア】ロシアは堅い守備が持ち味。守備のブロックをつくり、ハードワークで隙を与えず、スペインもなかなかゴール前に入れなかった。開催国でスタンドがロシアの応援一色になるアドバンテージもあり乗っている。ロシアはどうやって点を取るかだがFWジュバとMFゴロビンを中心にしたカウンターが決まれば可能性はある。さらに仕掛けていくのでPKを取れる可能性もある。

 クロアチアは攻撃力があり、中盤でパスをつないでFWマンジュキッチやMFモドリッチが点を取るパターンだが、デンマーク戦では守備を固められて苦しんだ。モドリッチやMFラキティッチの個の力に頼るしかないが、どこまで攻撃力を発揮できるか。この大会は番狂わせが続いているが、準々決勝であるとすればこの試合が一番可能性が高いとみている。

 【スウェーデン―イングランド】イングランドが丁寧にパスをつないで攻め、組織的に守るサッカーをするのに対し、スウェーデンは4―4―2でブロックを組む堅守速攻。イングランドの攻撃とスウェーデンの守備ということになる。イングランドはFWケーンが好調で点を取っているのが心強い。3バックでパスをつなぎながらケーンに合わせていくが、FWスターリングやMFアリらもゴール前で絡んでくる。

 スウェーデンは長身の選手がそろい、サイドを突破されてクロスを入れられても中央ではね返せる。全員がハードワークし、メキシコやスイス相手にも簡単には失点しない質の高いサッカーをしていた。カウンターでMFフォスベリやFWトイボネンが決めたいところ。耐えるのは得意。0―0で展開できればチャンスは出てくるが、イングランドがやや有利だろう。

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