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西野監督 清々しい退任!田嶋会長との“男の約束”守った

[ 2018年7月6日 05:30 ]

<日本代表帰国>W杯報告会見で笑顔で報道陣の質問に答える(左から)長谷部、西野監督、田嶋会長(撮影・沢田 明徳)
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 W杯ロシア大会で16強入りした日本代表が5日、成田空港に帰国した。その後、成田市内で会見した日本協会の田嶋幸三会長(60)は西野朗監督(63)が今月いっぱいで退任することを明らかにした。関係者によれば日本協会で新たに要職のポストが用意される見通し。また次期日本代表監督就任が決定的な元ドイツ代表FWユルゲン・クリンスマン氏(53)の下、水面下で組閣が着々と進んでいることが判明した。

 会見の最後に、西野監督の退任が正式に発表された。ロシアでの戦いを終え、西野監督と十分な話し合いを持った田嶋会長が、最後は男と男の約束を守ったことを明かした。

 「(就任を)お願いした時“結果がどうであれ、この大会で終わる”という約束をしました。7月末をもって監督を終了することになります。また違った形で日本サッカーに貢献していただければ」

 次期監督には既に元ドイツ代表FWのクリンスマン氏の就任が決定的だ。関係者によれば、西野監督には日本協会の要職のポストが用意される見通し。指揮官は「契約が今月末日までなので、この任を受けた瞬間からW杯終了までという気持ちだけでやってきました」と話した。

 会見では大会中の選手とのエピソードも披露した。1次リーグ翌日のミーティングの際「ある小さい選手がいきなり発言をして“ブラジル”という言葉を発した瞬間に言葉をつまらせた」と明かした。おそらく長友のことだと思われるが、選手の4年間の熱い思いをくみ取った指揮官はベルギー戦後、こんな言葉を掛けたという。「(試合後)倒れ込んで背中で感じた芝生の感触、見上げた空の色、それは忘れるな。ベンチで座っていた選手たちの、あの居心地の悪いベンチのお尻の感触は忘れるな」――。

 W杯の検証を含め、契約満了となる今月末までは全力で職務に尽くす。会見ではA代表強化の問題点も挙げた。「海外組と国内組を融合していかないといけない。その難しさはシーズンが違うからです。9、10、11月の活動は毎年強化にならないくらいの状況。チームとしてどう持っていくかの改善は難しいですが、考える必要がある」。4年後のカタール、その先へ、課題の提言だった。

 また就任2カ月でW杯16強に導いた西野監督は「現場」への思いが強いことでも有名。戦前の下馬評を覆し日本中を感動の渦に巻き込んだ手腕は注目の的。関係者によれば既に複数のJクラブが監督として招へいを検討、オファーが殺到する可能性も出てきた。要職か、現場か。引く手はあまた。ステージは替わってもダンディーの挑戦は続く。

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