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日本代表のロッカー清掃、世界で反響続く 伊紙「礼儀の教示」ザック氏「唯一無二の存在」

[ 2018年7月4日 20:35 ]

 ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦のベルギーとの試合後に日本代表のロッカールームがきれいに清掃された様子がネット上で拡散され、世界的な話題となっているが、イタリアの地元紙もこの様子を取り上げた。

 ガゼッタ・デロ・スポルトは「KOの日本、ロッカールームを綺麗にして去る。礼儀の教示」と見出しをつけて報じた。同紙は「普通これだけショッキングな敗北を喫すれば、ベンチは壊され、ボトルは床に散乱しているようなもの。しかし彼らは全くヒステリーを起こすことなく去った」と驚きをもって報じた。

 元日本代表監督のザッケローニ氏の手記も「なぜ日本が唯一無二の存在なのか」というタイトルで掲載され、日本の国民性や礼節について触れた。

 「W杯での日本を見届けた後に、私の脳裏に浮かんだ最初の言葉は“誇り”だ。私はこの選手たちを指導したことに大きな誇りを抱いているのだ。彼らとはつまり、ロシアで戦った選手たちのこと。少しばかりの選手たちを除き、そのほとんどが私が指導した選手たちだった。なぜ彼らを誇りに思うのか。それは彼らが掛け替えのない存在であること。また、敗退という結果に終わったベルギー戦後のロッカールームの写真が出回っているが、あれこそが私の誇りをよく表しているのだ。多くの人が驚いているというコメントを読んだが、日本代表がどういう国民性なのかを知っている人なら驚きに値しないことだ」とロッカールームの話題に反応。

 続けて「私は驚いていないし、むしろ彼らが掃除をせずに帰ったならば大いに驚いたことだろう。試合後、日本代表のロッカールームでは何が起こるかを教えよう。最初に入ってきた選手は着ていた服をたたみ、床に並べるのだ。つまりゲームシャツ、パンツ、ソックス、そしてアンダーシャツの四つ。続く選手も同じようにする。それはつまり、用具係に対して最大の敬意が払われているということなのだ」と自身が監督を務めていた当時のエピソードを明かした。

 他にも代表戦士たちがW杯の壮行イベントに出席したときのこと。数百人のサポーターが待つ会場から数メートル離れただけの控室で、選手たちは着替えテーブルに時計や財布、ネックレスなどを置いて一斉に出たという。選手たちが鍵がかかっていない状態を気にしなかったにザッケローニ氏は驚いたといい「これはマズイんじゃないかと心配したんだが、彼らはそんな心配をした様子もなかった。東洋を散々回ったけれど、こういう質を持っているのは日本人だけだ。これは他のアジアの国と全く違うところだ」と称えた。

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2018年7月4日のニュース