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“劇団ネイマール”8強導くも大げさリアクションに世界うんざり

[ 2018年7月4日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   ブラジル2―0メキシコ ( 2018年7月2日    サマラ )

<ブラジル・メキシコ>後半6分、ゴールを決めパウリーニョ(下)に肩車されるネイマール(AP)
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 優勝候補が調子を上げてきた。ブラジルは2日の決勝トーナメント1回戦でメキシコを2―0と破り、7大会連続8強入り。エースのFWネイマール(26=パリ・サンジェルマン)が先制ゴールを含む2得点に絡み、守備は86年メキシコ大会以来となる3戦連続無失点をマークした。準々決勝(6日)ではベルギーとのFIFAランク2、3位対決が実現する。

 大活躍のネイマールが“大炎上”した。後半26分、ボールを追ってタッチラインの外で座り込んだ場面。ボールを取ろうとしたメキシコMFラジュンの爪先が右足首に触れた瞬間、絶叫してのたうち回った。これまでも軽い接触プレーで大げさに痛がる姿が批判されていたが、明らかな“演技”に世界中から非難が殺到した。

 メキシコのオソリオ監督は「サッカー界の恥だ。ピエロのようなまねをするヤツにプレーする資格はない。一人のせいで貴重な時間が無駄になった」と激怒。MFグアルダドは「主審が好意的に笛を吹いている」と問題視した。元イングランド代表FWシアラー氏が「才能は素晴らしいのにうんざり」とつぶやくなど名選手からも批判が相次ぎ、ロシア国営放送RTは「(演技は)悪い見本」、米誌タイムも「もはや芸術的」と報じた。

 それでもネイマールはどこ吹く風だ。「俺をワルモノにしたいんだろ?批判も褒め言葉も気にしない。チームのためにプレーしている。それだけだ」と話した。後半6分、ドリブルからヒールパスでチャンスをつくり、MFビリアンのクロスに飛び込んで先制点。43分にもドリブル突破からシュートを放ち、2点目を演出した。ケガ明けで臨んだW杯で4戦フル出場。試合ごとに切れは増している。

 チームは難敵メキシコを退けて8強入り。3試合連続複数得点の攻撃だけでなく、守備も3試合連続無失点と安定感は抜群だ。次戦は警告累積のカゼミロが出場停止だが、チチ監督は「先発の11人だけじゃない」と選手層の厚さに自信。「ネイマールは本来の切れを取り戻した」とエースへの信頼も口にした。

 ≪得点歴代最多に≫2得点のブラジルはW杯通算得点を228点とし、歴代最多で並んでいたドイツの226点を抜いて単独最多となった。3位はアルゼンチンの137点。

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