×

トルシエ氏 西野Jへ「もっとできると自覚しろ」02年の精神的“ミス”教訓に

[ 2018年7月2日 09:00 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   日本―ベルギー ( 2018年7月2日    ロストフナドヌー )

02年日韓W杯のトルコ戦後、中田英(左)と握手を交わすトルシエ監督
Photo By スポニチ

 かつてW杯で日本代表を指揮したフィリップ・トルシエ氏(63)が、日本代表のベルギー戦の戦い方を占った。02年に決勝トーナメント1回戦でトルコに敗れたトルシエ氏は当時とは違う精神的アプローチを西野ジャパンに求めた。

 16年前の02年W杯で私はミスを犯した。日本代表の目標が1次リーグ突破だったので、私たちは自分たちの仕事を成し遂げたと思ってしまった。私は決勝トーナメント1回戦のトルコ戦が次のW杯に向けた第一歩で、選手が次の監督にどういうプレーができるかを見せる機会だと考えた。それが誤りだった。

 日本はその時と同じ状況にいる。02年当時、日本代表が決勝トーナメントに進むことはとても大きな目標だったが、今の日本代表の選手やコーチ陣はそう考えてはいけない。「もっとできる」と自覚することだ。準々決勝に進んでも特別なことではないし、敗退したとしても、ここまで来たことで満足してはいけない。西野監督と日本代表には私と同じ精神的なアプローチでベルギー戦に臨まないことを願っている。

 もちろんベルギーは簡単な相手ではない。今大会の優勝候補で、選手の質や1次リーグで見せたプレーから見てもベルギーの優位は揺るぎない。ただ、この大会を通して私が言ってきたことを変えることはない。コロンビアやセネガルに対して日本はノーチャンスと言ったように、今も理論上、日本はベルギーに対してノーチャンスだ。しかしサッカーは理論で行うものではないし、日本がそれを証明してきた。攻撃的なビジョンを持ち、パスをつなぎ、経験の全てを出すことで素晴らしい結果を残した。

 ベルギーにはルカクやE・アザールのような素晴らしい選手がいるが、日本はこれまで何度もチャンスをつくり、自信を深めてきた。再びサプライズを起こす可能性はある。

 メンバーも昌子、長谷部、香川、乾、大迫を使う布陣に戻ると思っている。日本は失うものがない。準々決勝に進めるこの機会をものにするために、できることを全てすることだ。そうすれば、試合後に後悔することはない。 (02年W杯日本代表監督)

続きを表示

2018年7月2日のニュース