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ブラジル、ネイマールだけじゃない!磐石の13大会連続16強

[ 2018年6月29日 05:30 ]

W杯1次リーグE組   ブラジル2―0セルビア ( 2018年6月28日    モスクワ )

ブラジル代表のネイマール
Photo By AP

 最多記録を更新する6度目の頂点を狙うブラジルが、E組1位で決勝トーナメント進出を決めた。27日、セルビアに2―0と快勝し、2連勝で勝ち点7。前回王者ドイツが過去16大会連続で通過していた1次リーグで初めて敗退した一方で、王国は13大会連続の突破を果たした。エースのFWネイマール(26=パリSG)は2戦連続得点を逃したが、DFチアゴシウバ(33=同)ら前回大会の悔しさを知る“脇役”が活躍した。

 4年前に涙したセレソンの元主将が歓喜の雄叫びを上げた。1―0の後半23分、DFチアゴシウバが今大会初得点。左CKからFWネイマールが蹴ったニアへのボールに走り込み、決勝トーナメント進出を決定づけるゴールを頭で叩き込んだ。

 キックオフの約1時間前にドイツの1次リーグ敗退が決定。「(ドイツの)苦しみは分かる。W杯では屈辱を味わい、批判を浴びる。でも重要なのは、どう乗り越えるかなんだ」。そう語ったチアゴシウバは、自国開催だった前回大会で屈辱にまみれた。準決勝でドイツに1―7と歴史的大敗。この“ミネイロンの惨劇”で出場停止だった主将はチームを立て直せず、復帰した3位決定戦でもオランダに0―3と完敗を喫した。「国民に謝罪したい」と頭を下げたが、「ブラジル代表史上最低の主将」などと猛批判にさらされた。

 その後、就任したドゥンガ監督に主将の座を剥奪され、一時は代表からも遠ざかったが、16年に就任したチチ監督の下で復帰。南米予選で先発は2試合のみだったが、今大会は全試合に先発し1失点の堅守を支えている。

 前半36分には、前回大会ドイツ戦に出場していたMFパウリーニョが先制ゴール。バルセロナ同僚のMFコウチーニョのパスから、得意の裏への飛び出しで右足で押し込んだ。運動量と守備で中盤を支える“黒子”もチアゴシウバ同様にどん底からはい上がった。15年にトットナム(イングランド)から中国1部広州恒大へ移籍し「みんなに“終わった選手”と言われた」。チチ監督から中国での活躍が認められて代表に復帰すると、昨年に名門バルセロナ移籍と華麗な復活を果たした。

 1次リーグ初戦こそスイスと引き分けたが、その後は2連勝で首位通過。チチ監督が「ネイマールでなくても、誰だって主役になれる」と言うように、エースが1得点と本調子でなくとも、4年前の苦しみを知るベテランの脇役が活躍できるのが今のブラジルの強さ。下馬評は決して高くなかったカナリア軍団が、ドイツが消えた大会で優勝候補筆頭に躍り出た。

 ▽W杯14年大会のブラジル 自国開催の開幕戦は、ネイマールの2得点などで3―1とクロアチアに快勝。メキシコと0―0引き分け。カメルーンにネイマールの2得点などで4―1と大勝し、1次リーグA組を1位突破した。決勝トーナメント1回戦はチリと延長1―1の末にPK戦3―2で辛勝。準々決勝はコロンビアに2―1で勝利したものの、ネイマールが相手選手の膝蹴りで腰椎を骨折し離脱。準決勝でドイツに1―7で大敗し、3位決定戦はオランダに0―3で敗れた。

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