W杯 ボールもハイテク!無線通信タグを埋め込み 日本代表とは好相性

[ 2018年6月25日 11:00 ]

ロシア大会の公式球「テルスター18」
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 サッカーW杯は1次リーグ中盤を迎えた。世界人口約70億人の約半数が観戦すると言われる4年に一度の一大イベント。その中心にあるのは、直径約22センチのボール。ロシア大会ではW杯史上初めて「NFC(近距離無線通信)タグ」が埋め込まれた。この“ハイテクボール”は科学的分析の結果、日本チームと相性がいいことも分かった。

 W杯の公式球は、1970年のメキシコ大会からアディダスが手がけている。今大会の「テルスター18」で13個目になる。今大会は、ビデオ・アシスタント・レフェリー制(VAR)が初導入されるなど最新機器を使っての運営が注目を集めているが、ボールにもハイテクが詰め込まれている。ボールを構成するパネルは6枚で均一の形状。新開発のユニークな形状で、飛行安定性の向上を目指した。

 最も驚くのが「NFCタグ」の内蔵だ。専用アプリをダウンロードしたスマホやタブレットを近づけると、タグに書き込まれている情報が読み取れる仕組み。残念ながら今回得られる情報は商品やキャンペーンについてで、ゲームと連動はしていない。ただ、NFCタグを専門に扱っている「アンシェル」取締役の浜田敬治さんは「ボールに埋め込むのは難しい技術。それができたので、次の展開が考えられる」と話す。

 同タグはバッテリーを持たない「パッシブ型」で、デバイスを近づけないとデータが入手できない。バッテリー内蔵の「アクティブ型」は自ら情報発信できるが、ボールに埋め込むには大きく重さもある。浜田さんは「アクティブ型が小型化してピッチに埋め込んだデバイスと反応して電波を飛ばすようになれば、次の大会以降、W杯の新しい楽しみ方が生まれるかもしれない」と新たな展開に期待する。

 2010年南アフリカ大会のデンマーク戦でFW本田圭佑(32)が蹴ったFKが“ぶれ球”になるなど、ボールの特性にも毎回、注目が集まる。テルスター18は実験で、西野ジャパンと相性がいいという結果が出ている。筑波大体育系でスポーツ工学を研究する浅井武教授(61)が過去2大会のボールと比較。大型扇風機で強風を当てる風洞実験などで<1>ショートパスを回すのに適している、<2>カーブがかかりやすい、という特徴が明らかになった。

 “日本向き”なのは<1>だ。テルスター18は秒速10〜15メートルの中速域で、過去2大会のボールと比べ最も空気抵抗が小さかった。風速はプレーにおけるボールの速度に置き換えられる。秒速10〜15メートルは、ほぼショートパスの速度と同じ。浅井教授は「アップテンポのショートパスを回すのにいいボールと言える」と話す。

 日本は、ハリルホジッチ前監督(66)のときは縦にボールを早く出す戦術だったが、西野朗監督(63)が就任してからポゼッションを重視しショートパスを回す傾向に変化。このスタイルにマッチしている。ボールの特性を頭に入れて観戦すれば楽しみも興奮も倍増するはずだ。

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