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“持ってる”ダンディー西野監督!アジア勢初 W杯南米勢初撃破

[ 2018年6月20日 05:30 ]

W杯1次リーグH組   日本2―1コロンビア ( 2018年6月19日    サランスク )

前半、香川が放ったシュートをC・サンチェス(右から2人目)が右手で止めPKを獲得(撮影・西尾 大助)
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 96年アトランタ五輪の“マイアミの奇跡”から22年。日本代表の西野朗監督(63)が今回も“強運”にも恵まれ、初采配のW杯1勝を挙げた。前半3分、相手DFがペナルティーエリア内でハンドを犯し一発退場。序盤から数的優位となり2―1で勝利した。FIFAランク16位の格上撃破は、アジア勢としてW杯で初めて南米勢から奪った歴史的白星となった。

 この男、やはり持っている。西野監督にいきなり幸運が転がり込んだ。前半6分、相手の一発退場とPKによる先制点。とてつもなく大きなアドバンテージを手にした。96年アトランタ五輪でブラジルを破るマイアミの奇跡を演出。22年前はGKとDFが激突する相手の連係ミスから決勝弾が生まれたが、再び超ラッキーな展開が後半28分に待っていた。同25分に投入した本田のアシストで決勝弾が生まれ、采配も的中。最高のスタートを切り「運だけでなく良い選手に恵まれているのだと思う」と笑った。

 FIFAランク16位の格上に真っ向勝負を挑んだ。リアクションではなくポゼッションを重視。「柴崎、香川、乾。中盤の攻防で優位に立てるキャスティング」と中盤に攻撃的な選手を並べた。前半は10人の相手に苦しみ、一時は同点に追い付かれたが、ハーフタイムに修正。サイドでのボールの出し入れを繰り返して相手の体力を奪うように指示を出し、白星につなげた。

 W杯で南米勢に初めて勝利し、大きな勝ち点3を獲得。日本は初戦で勝ち点を手にした02年日韓大会、10年南アフリカ大会ともに決勝トーナメントに進出している。ロシア人記者から「お祝いは?」と質問されると「優勝したのであれば、サランスクのメイン通りでパレードしたいが…。モスクワまでとっておく」と笑わせた。

 第2戦はセネガル、第3戦はポーランドと対戦する。96年アトランタ五輪はブラジルに勝利した後、第2戦でナイジェリアに敗戦。第3戦でハンガリーに勝ったが、決勝トーナメント進出を逃した。西野監督は「同じような相手。同じ轍(てつ)を踏まないようにしたい」と前を向いた。

 20か21日にはサブ組中心のメンバーで、ロシア遠征中のU―19日本代表と練習試合を予定するなど調整に余念はない。最後は「これは小っちゃい奇跡」と言い残して試合会場を後にした。小さな奇跡を起こしたサランスクから、本当の奇跡の快進撃は始まる。

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2018年6月20日のニュース