“メッシ止め”アイスランドＧＫは異色二刀流　本職は映像ディレクター

Ｗ杯１次リーグＤ組   アイスランド１―１アルゼンチン （ 2018年6月16日    モスクワ・スパルタク競技場 ）

メッシのＰＫを阻んだアイスランドＧＫハルドルソン
Photo By ゲッティ＝共同

　“二刀流ＧＫ”がメッシを止めた。後半１９分、決まればアルゼンチンが勝ち越していたＰＫを右へ跳んでストップしたアイスランドのＧＫハルドルソンの本職は映像ディレクター。１５年にプロサッカー選手となったが、自身が編集する映像での研究も欠かさず「メッシのＰＫはとにかく見た。最近のＰＫでの自分の動きもね。こっちに蹴ってくると思っていた」と胸を張った。

　かつてはＣＭやアーティストのＭＶの監督を務め、収入の大半が映像制作によるものだった。今大会前もコカ・コーラの依頼でアイスランドのＷ杯初出場をＰＲするビデオを手がけていた。そのＷ杯デビュー戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、母国の勝ち点１獲得に貢献。「Ｗ杯最初の試合でＰＫを止めるなんて夢のようなシナリオだ」と笑った。

　アイスランドは１６年欧州選手権に初出場で８強入り。優勝したポルトガルに初戦で引き分けて勢いに乗った。「あの時はロナウドがいて、今回はメッシ。確かに似ているね」。Ｗ杯歴代最少、人口約３３万人の小国に再び旋風の予感が漂う。