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フランス“現代テク”2発!VARとGLTに救われ白星発進

[ 2018年6月17日 05:30 ]

W杯1次リーグC組   フランス2―1オーストラリア ( 2018年6月16日    カザン )

<フランス・オーストラリア>決勝ゴールを決めるフランス代表MFポグバ(中央左)(AP)
Photo By ゲッティ イメージズ

 W杯での2度の“技術革新”がフランスを救った。勝利を決定づけたのは前回大会から採用されたGLT。1―1の後半36分、MFポグバのループシュートはクロスバーに当たってゴールマウスへ。ボールはゴール外に飛び出していたが、主審は腕時計の表示を確認して得点を認定。背番号6はアシストのMFジルーに抱きついて喜びを爆発させた。

 決勝点を認定したのがGLTなら、先制点は今大会から導入されたVARの産物だった。後半13分、ペナルティーエリア内でFWグリーズマンが倒されたが、プレーは続行。しかし、スロー再生でDFリスドンのファウルが確認され、与えられたPKをグリーズマンが自ら決めた。VARでPKの判定が下されたのは今大会初めて。2つのプレーがハイテク機器によって正しく判定されたことがフランスの勝因となった。

 「相手の出来がとても良く、難しい試合だった。勝ててとてもうれしい」とデシャン監督。初優勝から5大会ぶりとなる2度目の頂点へ「最も重要」と位置付けていた1次リーグ初戦。指揮官はパリSGの19歳のFWエムバペ、バルセロナでプレーする21歳のFWデンベレを先発起用。次世代のスター候補はエースのグリーズマンと3トップを組み、流動的にポジションを変えながらゴールに迫ったが、初めてのW杯の大舞台で本領発揮とまではいかなかった。後半17分には24歳のDFウンティティがペナルティーエリア内でのハンドでPKを与えるなど若さも露呈した。

 それでも勝ち点3を得たのは大きな収穫。デシャン監督は「ミスがあったが、改善できる」と、若きタレント軍団の伸びしろに期待する。次のペルー戦(21日)では、テクノロジーも必要ないほど圧倒的な強さを見せつける。

 ▽VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー) ゴールや一発退場など重大な局面で明らかに誤審の可能性がある場合、ビデオ副審が3人の補佐役とともに映像を見て主審の判定を手助けする。ビデオ副審の助言を受けてから、主審がピッチサイドにあるモニターで映像を確認する場合もある。VAR用の視聴覚室はモスクワ市内にあり、光回線で結ばれた12会場の主審と交信。VARは16年からクラブW杯、昨年のコンフェデ杯で試されFIFAによると正しい判定率は98・8%まで上昇した。批判のあった中断時間は30秒から1分程度に収める方針だ。

 ▽ゴールライン・テクノロジー(GLT) ゴールの判定を補助する機器。FIFAは磁気型とカメラ型の2種類を認可しているが、現在はカメラ型が主流。数台のハイスピードカメラでゴールを撮影し、位置や角度の異なる映像をコンピューターで解析して、ゴール判定の場合は1秒以内に審判の腕時計に合図が送られる。13年コンフェデ杯で試され、前回の14年W杯から正式採用された。

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