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【W杯 今日の注目選手】セルヒオラモス 監督解任劇も「国民に対する責任と義務がある」

[ 2018年6月16日 02:15 ]

イニエスタ(左)と笑顔で話すセルヒオラモス(右)(AP)
Photo By AP

 激震のスペインを引っ張るのは、この男しかいない。開幕前日の監督解任劇に、いち早く「我々は国を代表するチーム。国民に対する責任と義務がある」と発信したDFセルヒオラモス(32=Rマドリード)。1次リーグB組初戦にして大一番のポルトガル戦へ、一体感をアピールした。

 元々、個人的には大会前から“逆風”にさらされていた。3連覇を達成した5月26日の欧州CL決勝で、リバプールのエジプト代表FWサラーに激しくチャージ。左肩を痛めて交代したサラーは一時W杯出場も危ぶまれ、エジプト人弁護士から賠償金10億ユーロ(約1300億円)を求めて提訴されるなど世界中から袋叩きに遭った。それでも「彼から先に腕をつかんできたし、ケガしたのは接触したのとは逆の肩だ」「痛み止めを打てば後半はプレーできたんじゃないか」などと反論。さらに批判を浴びたが、どんな逆境でも強気の姿勢は崩さない。

 サラーを転倒させた“投げ技”や肘打ちなど、汚いプレーは日常茶飯事で退場歴も多い。だが、サイドバックもできるスピードと屈強なフィジカルで1対1や空中戦では絶対に負けず、土壇場での得点力も高いだけに、味方ならこれほど頼もしい選手はいない。主将としての統率力も抜群で、CL決勝の試合直後にC・ロナウドがレアル退団を示唆すると、ロッカーで「今、言うべきタイミングではないだろう」と叱った。ピッチ上での直接対決でも、遠慮なくスーパースターを“つぶし”に行くはずだ。

 ◆セルヒオラモス 1986年3月30日生まれ、セビリア出身の32歳。セビリアの下部組織育ちで、04年にトップチームデビュー。05年にRマドリードへ移籍し、リーガ・エスパニョーラ、欧州CLともに計4度の優勝に貢献した。05年にデビューしたスペイン代表では08、12年欧州選手権、10年W杯南アフリカ大会優勝など通算152試合13得点。1メートル83、75キロ。背番号15。

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2018年6月15日のニュース