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コロンビア指揮官 早速“策”発動 西野監督の性格、思考まで分析済み

[ 2018年6月15日 09:16 ]

W杯ロシア大会1次リーグH組   コロンビア-日本 ( 2018年6月19日    サランスク )

コロンビア代表の練習を見守るペケルマン監督(右)
Photo By 共同

 W杯ロシア大会1次リーグ初戦(19日)で日本と対戦するコロンビアが大会開幕日の14日、ベースキャンプ地のカザンで公開練習を行った。敵将はプロフ(教授)の異名を持つホセ・ペケルマン監督(68)。絶対的エースMFハメス・ロドリゲス(26=Bミュンヘン)を隠すなど、日本との対戦を前に早速策士ぶりを発揮した。

 早くも仕掛けてきた。メディアに公開された14日の練習。グラウンドは日本の拠点から車で約40分と距離が近い。日本のマスコミを警戒したのか。あるべき人の姿がない。前回大会得点王で、今大会予選13戦6発とチーム最多得点を誇る、あのハメス・ロドリゲスが不在だった。

 チームのアビンソン広報は理由を「軽い筋肉の疲労」と説明。室内で別メニュー調整したと明かした。しかし前日は通常通り練習。15日の非公開練習も普段通り参加する予定だという。状態は問題ないことが明白。公開練習だけに、あえて隠した可能性が高い。

 プロフ(教授)――。タクシー運転手の過去も持つ敵将は、そんな異名が付くほど頭脳派として知られる。母国アルゼンチンではU―20W杯を3度制覇。12年からコロンビアを率い、3年連続南米年間最優秀監督賞を受賞した。個を生かす戦術をベースに、前回大会では日本を1次リーグで破り史上初のベスト8に導いた男は、類いまれな情報収集力を持つ。

 実は開幕前から、西野監督を“丸裸”にしていたことも判明した。関係者によると、4月に就任が決まった後、コロンビアスタッフに西野監督のパーソナリティー解析を厳命。経歴に始まり、性格、思考、采配の仕方、戦術パターンを情報収集したという。Jリーグで歴代1位の通算270勝を達成した西野監督が、柏、G大阪、神戸、名古屋を指揮した時代の試合映像もできるだけ入手。個の能力を組み合わせて戦術を機能させた、独特な采配も調査済みという。

 対戦国が相手チームの戦術を調査するのは通例だが、監督本人の思考まで分析し尽くすのは異例。西野ジャパンより西野朗を解析することで、打つ手をより明らかにする狙いがあると思われる。12日のパラグアイ戦は元アルゼンチン代表MFのカンビアッソ・コーチが直接視察した、策士率いるコロンビア陣営。大事なエースは隠され、西野朗は100%丸見え状態。ピッチの外でも強敵だ。

 ◆ホセ・ペケルマン 1949年9月3日生まれ、アルゼンチン出身の68歳。現役時代はMFで、インディペンディエンテ・メデジン(コロンビア)などでプレーし、膝のケガのため28歳で引退した。古巣アルヘンティノスの下部組織などで指導経験を積み、94〜01年にU―20アルゼンチン代表を指揮。世界ユース選手権(現U―20W杯)を95、97、01年と3度制した。04〜06年に同A代表を率いて06年W杯ドイツ大会に出場(8強)。12年にコロンビア代表監督に就任した。

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