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西野ジャパン あえて“ゆとり調整”またも試合後のオフ検討中

[ 2018年6月12日 08:38 ]

国際親善試合   日本―パラグアイ ( 2018年6月12日    インスブルック )

練習でイレブンに指示を出す西野監督(中央手前)(撮影・西海健太郎)
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 泰然自若か、鈍感力か。苦境が続いても西野朗監督(63)は“オレ流”を貫く。パラグアイ戦の前日会見。W杯前最後の親善試合に向け「出場機会の少ない選手を使いたい。勝利を大前提にした上でキャスティングにトライしたい」と力を込めた。パラグアイは1次リーグ初戦で対戦する仮想コロンビアと位置づけている。日本は過去のW杯で4戦全敗(PK戦負け含む)の南米勢と同組になった1次リーグを突破したことがない。対策を練るためにベスト布陣で臨むのが通例だが、8日のスイス戦から先発を10人も入れ替える見通しだ。

 就任後の2試合はガーナ、スイスにともに0―2で完敗。就任から3連敗となれば、95年1月6日に初采配した加茂周氏以来の屈辱となる。欧州組を招集した試合は最近7試合未勝利で、今年に入ってからは1分け3敗。W杯イヤーで1勝もできずに本大会に突入した例は過去にない。それでもスイス戦翌日の9日をオフとし、ロシアへの移動日となるパラグアイ戦翌日も休養に充てることを検討中。焦りはない。

 “ゆとり調整”には理由がある。4月の就任後は10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会を経験する早川コンディショニングコーチと事前調整について打ち合わせを重ねた。練習量を増やしてピーキングに失敗した4年前の反省を生かし、トレーニング強度を決定。ハリルホジッチ前監督は早川コーチの説得に耳を貸さずに2部練習を頻繁に組み込む方針だったが、西野監督はW杯経験豊富なスタッフの提案を尊重した。

 指揮官は報道陣から「過去のW杯に比べて日本は盛り上がっていない」と指摘されても「今初めて残念な報告を聞かされました。盛り上がっていないのですか?」と相変わらずのマイペース。「最後まで可能性を求めてMAXでテストしたい」と前を向いた。悩み抜いて選んだ23選手、スタッフ陣を信頼しているからこそ、当初の計画を変えるつもりはない。逆風が吹きつけても、しんは曲げない。

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2018年6月12日のニュース