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日本代表 ガーナ戦27戦士発表!“二刀流”当たり前が西野流

[ 2018年5月19日 05:30 ]

ガーナ戦に向けたメンバーを発表する西野監督(右は田嶋会長)
Photo By スポニチ

 日本サッカー協会は18日、W杯壮行試合ガーナ戦(30日、日産)に向けた21日からの国内合宿メンバー27人を発表した。初陣を迎える西野朗監督(63)はGK以外のポジション表記をなくし、複数位置をこなせる選手を積極的に選出。対戦国や戦況に応じて変幻自在にシステムを変える究極のポリバレント布陣を敷く方針を打ち出した。W杯最終登録メンバー23人は31日に発表される。 日本代表メンバー  日程&結果

 就任から37日目。W杯壮行試合が初陣となる西野監督が初のメンバー発表会見で身内に“クレーム”をつけた。悩み抜いて選んだ侍ブルー戦士は27人。配布資料では前例を踏襲してGK、DF、MF、FWに選手が分けられていたが、指揮官は「GK以外はポジションを外してほしい。固執したポジション、システムはない」と指摘した。ポジション分けは、スタッフが“忖度(そんたく)”して決めたもの。司会を務めた日本協会職員は「大変失礼しました。こちらの記載ミスです」とちゃめっ気を交えて頭を下げた。

 変幻自在の采配が西野監督の真骨頂だ。08年ACL制覇など黄金時代を築いたG大阪監督時代には3バックと4バックを併用。保有戦力や相手によってシステムを使い分けた。ハリルホジッチ前監督の解任を受けて緊急就任した今回は準備期間が短く「正直まだ(試合の)絵が描けていない」状態だが「勝ちに行くシナリオは選手の掛け合わせで描ける。一番良い選手、グループ、チームを考える」と強調。「多くのオプションを考えて選手に伝えたい」とイメージを膨らませた。

 システム論を嫌い、日本代表監督就任後も「数の問題ではない」とたびたび口にしている。柔軟な戦いをするため、選手選考ではポリバレント性を重視。国際Aマッチデビュー戦となった3月のマリ戦で得点するなど頭角を現していた左サイドのスペシャリストの中島を選外とし「ずっと同じポジションでポリバレントではなかった」と理由を明かした。

 結束力を重視し、一時はW杯本大会メンバーと同じ23人を選出するプランに傾いていたが「刻一刻と状況が変わる」と故障者が多いことで断念。「基本的にはこの27人から(W杯メンバーを選ぶ)という考えは持っている。6月19日(の1次リーグ初戦コロンビア戦)に最高の状態になるであろう選手を予測して招集した」と前を向いた。サバイバルレースとチームづくりを並行する合宿は21日にスタート。限られた時間で、ポリバレント軍団の最大公約数を探す。

 ▼ポリバレント 本来は化学用語の英語で「多価」。「原子が他の原子と結合してさまざまな機能を持つ」ことを意味する。06〜07年に日本代表の監督を務めたイビチャ・オシム氏が「複数のポジションをこなせる選手」という意味で用い、日本で広まった。

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