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鹿島10年ぶり8強 土居の“おしゃれヒール弾”でもぎ取った

[ 2018年5月17日 05:30 ]

ACL決勝トーナメント   鹿島1-2上海上港 ( 2018年5月16日    上海体育場 )

前半42分、同点ゴールを決めた鹿島・土居(8)
Photo By 共同

 日本勢で唯一決勝トーナメントに進出した鹿島が、10年ぶりの8強入りを果たした。敵地で上海上港(中国)との1回戦第2戦に臨み、MF土居聖真(25)が値千金のゴールを決めた。試合は1―2で敗れたが、2戦合計は4―3。クラブ史上初の決勝T初戦突破を決めた。 ACL決勝トーナメント

 8強への扉を開いたのは、土居のおしゃれなヒール弾だった。0―1の前半42分。しびれる展開の中で落ち着き払っていた。DF安西の低い左クロスを、左足ヒールで右隅へ。「いっぱいいっぱいでやってもつまらない。自分だけでも、自分らしいプレーをしようと思った」とクールな顔をほころばせた。

 ACLは鹿島が唯一手にしたことのないタイトル。下部組織からクラブに所属して14年。「鹿島の歴史を塗り替えたい」思いは「人一倍」だった。「このメンバーで、スタッフで(初戦突破を)実現できたことはうれしい。おまけで、自分の得点で破れなかった壁を破ったのは素直にうれしい」。前日の練習は右クロスから同じ形のシュートを決めていた。「いいイメージはあった」とうなずいた。

 上海上港はACL初参戦の16年からホームで全17戦無敗と無類の強さを誇る。それほどでもないプレーに大歓声が沸く独特な雰囲気。気温は夜8時で30度。第1戦後に復帰した元ブラジル代表FWフッキは強烈で、前半はFK、後半はPKで決められた。それでもGK権純泰(クォンスンテ)の2度のスーパーセーブやDF昌子らの体を張った守備で2戦合計のリードを死守した。

 終盤には乱闘寸前まで発展する熱戦を走り抜いた。「2試合合計は勝ったけど、負けている。厳しく言うと、そこを見つめ直さないといけない」と反省を忘れない一方で、「今シーズンで一番タフな戦いだった」と充実感をにじませた。初の初戦突破を告げる終了の笛が鳴り響くと、数人の選手が芝に座り込んだ。

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