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【佐々木則夫 視点】なでしこ“冷静に我慢”がさらなる成長の鍵

[ 2018年4月22日 09:16 ]

女子アジア杯決勝   日本1-0オーストラリア ( 2018年4月20日    ヨルダン・アンマン )

アジア杯連覇、セレモニーで喜ぶ女子日本代表・高倉監督(右端)ら日本イレブン
Photo By 共同

 中国戦から先発を5人入れ替えたが、大会を通して各ポジションに2人ずつ選手がいて、疲労や状況を見ながら戦えた。高倉監督が試行錯誤してきたことが、結果として出たことはチームの自信になる。私も就任直後に東アジア杯で優勝して勇気をもらい、そこからチームの質が上がった。

 オーストラリアが序盤、前線から圧力をかけてくるのに耐え、途中から横山らを投入して勝つプランだったが、狙い通りだった。横山は自分の形を持っている。相手をかわすドリブルができて思い切りが良く、嗅覚もある。先発でもいけるが、短時間でも仕事ができる。長谷川や岩渕がサイドから崩す攻撃の形もできていた。

 世界にはオーストラリアぐらい力がある国が10はある。W杯や東京五輪を見据えれば、今後も耐えながら戦うことが多くなる。前線から圧力をかけられたときは冷静につなぎフィードすればいいが、分かっていても簡単にはできない。今後も相手は日本に対して同様の戦い方をしてくるので、もう少し冷静に守れるようにする必要がある。そこが今後の課題で、克服するためには親善試合を組むときの相手選びが大事。パワーに加えて技術があり、コンパクトにしてくるチームと多く対戦できるかが成長のカギだろう。(元なでしこジャパン監督)

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2018年4月22日のニュース