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ハリルJ 空中分解寸前…ウクライナにも勝てず選手の不満噴出

[ 2018年3月28日 05:30 ]

国際親善試合   日本1―2ウクライナ ( 2018年3月28日    ベルギー・リエージュ )

<日本・ウクライナ>後半、頭を抱えるハリルホジッチ監督(左)
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 ハリルジャパンが勝てない――。6月14日開幕のW杯ロシア大会に出場する日本代表は27日、ベルギー・リエージュでウクライナと親善試合を行い、1―2で敗れた。仮想ポーランドと位置づけた欧州の中堅国に内容でも完敗。W杯代表発表前の最後の海外遠征は1分け1敗に終わった。これでバヒド・ハリルホジッチ監督(65)率いる日本代表は、海外組を招集した試合は5戦未勝利。采配に対する疑問も噴出し、2カ月半後のW杯本大会に向け、袋小路に陥った。 試合結果  日本代表メンバー  日程&結果

 ベンチで肩を落とすハリルホジッチ監督を冷たい雨が打ちつけた。W杯出場権のない欧州の中堅国に1―2で敗戦。欧州組を招集した試合では5戦勝利がない。危機的状況に陥っているが「敗戦で喜ぶことはできませんが、前の試合(1―1で引き分けた23日のマリ戦)より良かった」と必死に前を向いた。

 パススピード、寄せの速さ、シュート、ロングパスの精度など全ての面でウクライナが一枚上手。先制を許した場面は自陣深くで時間を与えすぎた。前半21分、相手DFラキツキーにペナルティーエリアのわずかに外でボールを持たれたが、誰も寄せにいかない。大きなモーションから放たれた強烈な左足シュートが、植田の頭をかすめてコースが変わりネットを揺らした。1―1の後半24分には右サイドを崩されて失点。得点はセットプレーからの1発だけで攻守に課題は山積みだ。

 終盤は好機をつくったが、おなじみの決定力不足を露呈した。指揮官は「最後の5分間で2、3回の決定機をつくったが、そこで決めないといけない。決定力はどの国も抱えている問題」と強調し「得点力で目立った活躍のできる選手を探しているが、我々のチームにメッシ、C・ロナウドはいない」と無い物ねだり。試合後に世界最高峰のFWだった敵将シェフチェンコ監督と抱擁する光景はシニカルだった。

 縦一辺倒の攻撃など采配への疑問が既に選手から噴出しているが、この日はさらにヒートアップ。長友は「ボールをキープするオプションがないといけない」と言えば、大迫は「いい子ばかりではチームは成長しない」と監督の指示を守らない臨機応変な判断の必要性を指摘。もはや空中分解寸前の状況だ。

 今遠征は勝ち癖をつけるためにW杯出場国とのマッチメークを回避したが、結果は1分け1敗。香川、吉田、酒井宏らをケガで欠くとはいえ、世界との距離が開いていることに疑いの余地はない。指揮官は「批判されても受け入れながら改善していきたい」と前を向いた。次の活動は5月21日からの国内合宿の予定。光明のないまま、W杯へのカウントダウンを迎える。

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