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岩本輝雄氏 あえて前向きに分析してみる マリ戦の苦戦は日本にとってチャンス

[ 2018年3月24日 18:50 ]

マリ戦で指示を出す日本代表のハリルホジッチ監督
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 バヒド・ハリルホジッチ監督(65)率いる日本代表チームが、23日にベルギーで行われた国際親善試合でマリ代表と対戦しました。代表デビュー戦だったDF宇賀神友弥(30=浦和)が与えたPKで前半44分に先制され、後半アディショナルタイムにこちらも代表デビュー戦だったFW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)のゴールで何とか1―1のドローに持ち込んだという試合。6月のワールドカップ(W杯)ロシア大会への出場権がないマリ相手の苦戦に、テレビで観戦していた皆さんもストレスがたまった1戦だったのではないでしょうか。

 確かに非常に良くない試合でした。海外組と国内組がそろって招集されるのは昨年11月以来4カ月ぶり。代表選手が久しぶりに集まり、今年初めての代表戦とあってお互いの連係不足もありますが、チームの軸がない印象でした。W杯まで3カ月。この先不安だな、ちょっとどうするのかな、と率直に思いました。

 ですが。考え方を変えてみます。戸惑ったのは私たち以上にW杯で日本と対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドだったのではないでしょうか。3カ国の分析担当スタッフは間違いなくマリ戦を視察していたはずです。しかし、これまでずっとハリルジャパンを見てきた私たちでさえ何がしたいのか分からなかったわけですから、3カ国の分析担当スタッフは相当迷うはずです。混乱したと思います。これは逆に日本のチャンスになるかもしれません。3カ月後に日本代表チームがどうなっているかは、まだ誰も分からないわけですから。

 マリ戦を見て、キャプテンのMF長谷部誠(34=フランクフルト)はやはり安定しているなと思いました。もう、ここはブレない。彼がいないと色々なことにおいて日本は大変だと思います。デビュー弾を決めた中島も良かったと思いますが、個人的には9カ月ぶりに招集されたFW宇佐美貴史(25=デュッセルドルフ)が良かった。前半にカットインしてシュートしたシーンを見ても、ペナルティーエリア付近までいけるのは調子が上がっている証拠。いいスルーパスも出していたし、自分の形はできていたと思います。

 最後に、マリ戦翌日のこのタイミングであえて言います。W杯ロシア大会における私の予想は日本の2勝1分け、無傷での1次リーグ突破です。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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2018年3月24日のニュース