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本田、23人枠奪い取れ!半年ぶり代表復帰はW杯へ最終テスト

[ 2018年3月16日 05:30 ]

昨年9月サウジアラビア戦以来の代表招集となった本田
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 ラスト・サバイバルの号砲が鳴った。日本サッカー協会は15日、今月19日からの日本代表ベルギー遠征のメンバー26人を発表した。昨年9月を最後に日本代表から遠ざかっていたFW本田圭佑(31=パチューカ)が6カ月ぶりに復帰。6月のW杯ロシア大会のメンバー入りへ、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)の最終チェックを受ける。代表は23日にマリ、27日にウクライナと対戦する。

 何度も逆境をはねのけた本田が、いよいよ最終テストを受ける。ハリルホジッチ監督が発表したリストに名を連ねたのは、昨年9月の代表活動以来6カ月ぶり。「もちろん我々は追跡をずっと続けている。このチャンスをつかんでほしい」。その実力で、限られたイスを奪い返せという指揮官なりのメッセージだった。

 闘将の言葉をひもとけば、本田への“テスト基準”が浮かび上がる。指揮官は前夜、1―4で敗れた前回大会のコロンビア戦の映像を確認。パスワークの連係で真っ向勝負も、分厚い壁にあっさりはじき返された。「あのようなプレーとは違ったプレーで我々は臨む」。縦への速さと球際の激しさを強調した堅守速攻への転換。かつて司令塔として君臨した31歳が、改めてハリル流へ適合するか精査される。

 その上で、FW陣にアピールを求める。「まずは点を取る、取らせるところ。いつも(前線から)下りて足元にボールを持ってしまうのはダメ。やはり(相手DFの)背後にいてほしい。そういうことを要求したいし、自分の能力をしっかり発揮してほしい」と指揮官。素早くゴールへ迫る動きが生命線となるチームに、本田の持ち前であるキープ力や得点能力を融合させる。

 昨年10月、日本代表から落選した。代表を守る立場から奪う立場への逆戻り。それでも、本田は自らを「亀」と表現し、黙々と復帰の機会をうかがっていた。パチューカでは自分が出場しないカップ戦の前日に練習場を訪れ、自主練習を欠かさない。メキシコまで視察に来た手倉森コーチには「(代表に)呼んでもらいたい。そのためにやるしかない」と熱く訴えた。今年1月からのリーグ後期は11試合で4得点5アシストと活躍。有言実行の男が本領を発揮し、再び帰ってきた。

 W杯には2度出場し、3得点。無類の勝負強さを誇る本田はロシア大会を「集大成」と言い続ける。自分にも代表引退が訪れ、スパイクを脱ぐ時が来ることを「自然の摂理」と達観したこともあるが、それは今ではない。ベルギーでの“最終選考”に自らの生きざまを懸け、全力でW杯のイスを奪いにいく。

 【本田圭佑 逆境の歴史】

 ☆星稜高 G大阪ジュニアユースからユース昇格がかなわず、高校のサッカー部へ。3年時に主将として全国高校選手権に出場。石川県勢初のベスト4進出を果たし、名古屋へ入団。

 ☆VVVフェンロ(オランダ) 2部に降格した08〜09年シーズン、主将としてリーグ戦36試合16得点13アシストと大車輪の活躍。優勝で1部に復帰し、2部のMVPを受賞した。

 ☆CSKAモスクワ(ロシア) 12年2月に左足首負傷で長期離脱。日本代表からも外れたが、13年7月のロシアスーパー杯ゼニト戦で2得点し優勝に貢献するなど復活。14年1月にACミランに背番号10で入団。小学校の卒業文集に書いた夢を実現させた。

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