鹿島「ターフプロジェクト」記者会見「世界中どこにもない新品種」

[ 2018年3月2日 20:04 ]

 鹿島は2日、指定管理者となっている本拠・カシマスタジアムにおける、「ターフ(芝生)プロジェクト」の記者発表を行った。まずは今季から、芝生の新品種「シーショア・パスパラム」を採用したことを発表。既に全面を張り替えてあり、2月14日のACL1次リーグ第1戦・上海申花(中国)戦から使用している。

 この品種の採用による最大のメリットは、通年常緑化が可能になることだ。06年からカシマスタジアムの指定管理者である鹿島。プロ・アマ問わず、年間100試合以上の試合開催を目標とする中で、スタジアム稼働率の向上は、以前から大きなテーマだった。

 だが、稼働率を増やすことは、芝生のクオリティー低下に直結。温暖化が進む近年では、酷暑が芝にもダメージを与えていた。そこで鈴木秀樹取締役事業部長らが約6年前から取り組み始めたのが、今回発表された「ターフプロジェクト」だった。15年から品種選定に着手し「ショーショア・パスパラム」という「世界中どこにもない新品種」(鈴木氏)にたどり着いた。

 昨季まで用いていたのは、冬柴(寒地型)。日陰の多いカシマスタジアムでも生育に問題がないという利点があったが、稼働率を最も高めたい夏場には弱かった。一方で、この新品種は夏芝(暖地型)であるにも関わらず、耐寒性、耐陰性でも従来の冬芝にひけをとらない。鈴木氏は「25年間使用してきた冬芝を変えるのには相当な覚悟が必要だった」と振り返るが、約2年間の実証実験を行い、改革のために踏み切った。

 さらに、クラブはこの新品種採用とともに、独自のメンテナンス手法も開発してきた。通常は数カ月かかるスタジアムの芝生の全面張り替えを、わずか21日間で可能にする「ビッグロール工法」と呼ばれる工法を、前回全面張り替えた13年から既に使用。また、通常は冬場に茶色く枯れてしまう夏芝の常緑化を可能にする、保温シートの開発にも成功した。

 新品種採用に加えてこれらのメンテナンス手法も含めた「ターフプロジェクト」は、カシマスタジアムの稼働率を上げるだけにとどまらない。鈴木氏は「天然芝を使っているところは全て対象」と、他スタジアムや施設での事業展開を目指していることを明かした。既にACLで来日した中国のCリーグ、韓国のKリーグの中には、強い興味を抱いているクラブもあるという。

 ダメージを受けた芝生は圃場に戻してすぐに再生でき、その間は用意していた芝生へと早急に張り替え、全面でもわずか3週間後には使用できる。ゴールエリアだけなら、張り替えた当日の使用も可能だ。事業の拡大には圃場のさらなる確保が必要となっていくが、“芝生のレンタルシステム”という、これまでの日本のスポーツ界にはなかった事業モデルが鹿島から生まれていきそうだ。

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