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長崎総科大付“ゴリラエース”だ!安藤3戦連発で前回王者粉砕

[ 2018年1月4日 05:30 ]

第96回全国高校サッカー選手権大会3回戦   長崎総合科学大付1―0青森山田 ( 2018年1月3日    フクアリ )

<青森山田・長崎総科大付>前半25分、長崎総科大付・安藤(右)は先制ゴールを決め喜ぶ
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 長崎総合科学大付(長崎)は高校No・1ストライカーの呼び声高いFW安藤瑞季(3年)の決勝点で、前回大会覇者の青森山田を1―0で下した。名将・小嶺忠敏監督(72)が“ゴリラ”と評する野性的なフィジカルも武器とする、C大阪内定エースの3戦連発でチームは初の8強に進んだ。

 激闘終了の笛を聞いた安藤は両拳を突き上げ、青天に吠えた。

 「自分の1点で僅差で勝てた。うれしい!“ゴールが見えたら、打つ”スタイルがうまくできていると思う」。C大阪加入が内定しているストライカーが、前戦完封した優勝候補の一角、青森山田をワイルドな3戦連発で切り裂いた。前半25分だ。左サイド寄りでパスを受けると、自らドリブルでゴール正面へ切り込む。相手DF2人を置き去りにしながら右足を振り抜く。グラウンダーでゴール右隅に決め、貴重な決勝点を挙げた。

 かつて国見を率いて選手権優勝6度の小嶺忠敏監督は“無添加”で世代別の日本代表入りしたエースFWに育てたという。「入学した時から変わらんよ。ゴリラちゃん、ゴリちゃんって可愛がられてね。“お嬢ちゃん”みたいな今の若者が多い中、安藤の野性味は消せないし、今の若者に欲しい」。走法など一度も手を加えず、野性味を損なわないように。国見時代の教え子である元日本代表FW大久保嘉人に似たスタイルが出来上がった。

 長崎総合科学大付で同じ背番号「10」をつけた兄・翼さんの「体幹ノート」を見て、中2から鍛えたフィジカルの強さも規格外だ。指揮官は安藤を「自動車」に、例える。「強すぎて、はじき飛ばすと安藤がファウルを取られてしまう」と嘆くほどだ。本人も「海外の方が(相手DFもフィジカルが強く)プレーが止まらないから面白い」と話す。

 その危惧が現実となったのが後半6分。2回戦に続き、2枚目の警告を受け、準々決勝は出場停止。全国高校総体覇者の流通経大柏戦にエース不在で臨む。小嶺監督は「みじめなもんですね。一日考えるよ」と顔をしかめた。安藤は「次につながる準備だけはしたい」。仲間の活躍で再びピッチに解き放たれる瞬間が来ると信じている。

 ◆安藤 瑞季(あんどう・みずき)1999年(平11)7月19日、大分県生まれの18歳。中学時代は大分県佐伯市のFC佐伯S―Play・MINAMI所属。全国高校選手権は昨年度(2回戦敗退)に続く2度目の出場。16年U―17日本代表選出。17年U―18日本代表としてU―19アジア選手権予選などに出場、U―19日本代表、U―20日本代表候補にも選出。1メートル74、74キロ。利き足は右。家族構成は両親と兄、妹。

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