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高倉なでしこ“北朝鮮の壁”0―2完敗、初タイトルならず…

[ 2017年12月16日 05:30 ]

E-1選手権   日本0―2北朝鮮 ( 2017年12月15日    フクアリ )

<日本・北朝鮮>優勝を逃し肩を落とす日本イレブン
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 完敗だった。優勝トロフィーを掲げてうれしそうに場内を一周する北朝鮮代表。なでしこはそれを横目に、ぼう然と立ち尽くすしかなかった。高倉監督は「後半に2失点してからバランスが崩れた。追いかける中でパワーを出し切れなかった」と唇をかんだ。

 ボール支配率は日本が56・4%で北朝鮮が43・6%。特に前半は日本が保持する時間帯が続いた。シュートこそ1本に終わったものの、高倉監督は「前半はこれまでの2ゲームに比べるとボールを動かしながら良いリズムがつくれた」と振り返った。

 しかし、北朝鮮陣営は余裕だった。ハーフタイムにキム・グァンミン監督は「日本は強いだろう?でも、我々の方がもっと強いと思わないか?」と選手に語りかけた。選手からは「やってみたら、たいしたことない」という声が上がり、指揮官は「だったら、思う存分攻撃してきなさい」とハッパをかけてピッチに送り出した。すると後半20分、日本は左サイドからクロスを放り込まれ失点。世代交代を進めた若いチームはとたんに集中力を失い、37分にも右サイドを突かれて失点した。

 高倉監督は「組織に逃げたくない」と1対1のデュエルに勝つことにこだわり強化に努めてきたが、この日は相手のスピードやパワーに押される場面が目立ち、「まだまだ追いついていない」と就任後初めての公式戦でタイトルを逃し厳しい表情。来年4月には、19年W杯フランス大会アジア最終予選を兼ねる女子アジア杯(ヨルダン)が開幕する。「アジア杯に向けて全てにおいてレベルを上げないといけない」と指揮官。残された少ない時間で必死に立て直しを図る。

 ▼日本サッカー協会田嶋幸三会長 明らかに向こうが上だった。北朝鮮は世界のトップ4、5に入ると思う。世界のトップ・オブ・トップにはしっかり食らいついていかないといけない。

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