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浦和 アジア最強!ラファV弾、ACL史上初ホーム全勝で頂点

[ 2017年11月26日 05:30 ]

ACL決勝第2戦   浦和1―0アルヒラル ( 2017年11月25日    埼スタ )

ACL優勝を果たし喜ぶ浦和イレブン
Photo By スポニチ

 浦和は25日アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦のアルヒラル(サウジアラビア)戦に1―0で勝利し、2戦合計2―1で10年ぶり2度目のACL制覇を飾った。後半43分、FWラファエル・シルバ(25)が決勝弾となる3戦連続ゴール。大会MVPにはMF柏木陽介(29)が選出された。1次リーグから決勝までホーム全勝は史上初の快挙。浦和は来月、アジア代表としてクラブW杯(UAE)に出場する。 ACL決勝T日程&結果

 「赤き歓喜」が爆発した。1点差のまま突入した4分のロスタイムを耐え抜き、浦和がアジアの頂点に返り咲いた。金と銀、無数の紙吹雪が舞う表彰台。男泣きした阿部主将が優勝カップを夜空に突き上げた。「真っ赤なサポーターの笑顔が見えて…うれしかったです」。5万7727人観衆による「We are Reds」の大合唱は続いた。

 後半43分、待望の一撃が決まる。ラファエル・シルバが武藤のパスに反応。相手DF2人の間で体を反転させながら抜け出し、右足一閃(せん)。「本当に言葉にならない喜びです」。第1戦後、SNSには相手サポーターとみられる人物から差別的な投稿で“攻撃”された。屈しない姿勢を最高のゴールで示してみせた。

 阿部、平川を除けば07年の栄光を知らない世代ばかり。10年度には営業赤字を計上、11年は残留争いに巻き込まれ、練習場のエンブレムには生卵が投げられた。翌12年に加入した槙野はその明るいキャラでチームを変えようと奔走。だが「勝った後、皆で、We are Diamondsを歌おう」と提案すれば「よそもんが勝手なことするな」と叩かれた。そんな殺伐とした時代を経た。だからこそ、万感の思いが込み上げる。

 激動の一年だ。8月にペトロヴィッチ前監督が解任された。超攻撃的サッカーは大量失点が目立ち、崩壊の一途をたどった。チルドレンと言われた柏木は胃腸を壊し、睡眠も浅くなった。その時、羅針盤となったのが堀監督だ。前任者と違い、無口な指揮官だが、まなざしは鋭い。4バックに変更し、守備を修正。メンバーを固定せず新たな競争意識を植え付け立て直した。1―0無失点での優勝は堀体制を象徴していた。

 最後、選手とスタッフが横一列で歌う「We are Diamonds」は新生レッズの姿そのもの。先月、総工費5億円の新クラブハウスが完成。館内には伝統を継承する一角がある。トレーニング室の床は90年代のプレハブ時代のものをそのまま使用。偉大な先人たちが築いてきた汗と涙の結晶を忘れぬためだ。次なる舞台はクラブW杯。初戦突破すればレアル・マドリード戦が待つ。

 日本の赤い悪魔が、再び世界への扉を叩く。

 ≪日本勢6度目のアジア制覇≫浦和が07年以来、10年ぶり2度目のACL優勝。日本勢のアジア王者は07年浦和、08年G大阪に次いで通算3回目。前身のアジアクラブ選手権時代の86年古河電工、87年読売クラブ、98〜99年磐田を含めると6回目になる。日本のアジア王者6回は韓国(11回)に次いで多い。ACLになってから2回の優勝はアルイティハド(サウジアラビア=04、05年)広州恒大(中国=13、15年)全北(韓国=06、16年)に次いで浦和は4チーム目、日本勢では初だ。ACLは14年から準決勝までは東西アジアの地域別で行われるようになったが、両地域を勝ち上がったクラブが対戦する決勝戦はこれで東アジアの4連勝となった。

 ▼クラブW杯出場 浦和は来月UAEで開催されるクラブW杯にアジア代表として出場決定。日本のクラブW杯出場はアジア代表の07年浦和、08年G大阪以外に開催国枠で柏、広島(2回)、鹿島が出場しているがいずれも日本開催での大会。他国開催のクラブW杯出場は浦和が初めて。

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