×

西川耐えた!レーザー妨害も1失点 浦和王者へ価値あるドロー

[ 2017年11月20日 05:30 ]

ACL決勝第1戦   浦和1―1アルヒラル ( 2017年11月18日    サウジアラビア・リヤド )

<浦和・アルヒラル>後半、セットプレーの際にレーザー光線を当てられるGK西川(左から2人目)
Photo By スポニチ

 浦和は18日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦のアルヒラル(サウジアラビア)戦に1―1で引き分けた。日本代表GK西川周作(31)がプレー中、レーザー光線による妨害を受けながらも1失点。MFラファエル・シルバ(25)が前半7分、貴重なアウェーゴールを決め、敵地で勝利に等しいドローに持ち込んだ。

 目の周りを中心に、執ようなまでに緑色の光線を受けた。敵地リヤドでの一戦。シュート数は5対15。GK西川が浴びたのは雨のように降った相手シュートだけではない。CK、FKの場面では観客席から放たれるレーザー光線の標的にされた。明らかな妨害行為。だが百戦錬磨の守護神は動じなかった。

 「レーザーは分かりました。前半のCK、後半はFKも。顔にも当たってました。直接、目に入ると(視界が)ぼやける。でも中東では想定内。気にしないでやろうと思いました」。逆に研ぎ澄まされた集中力。実は15年10月、日本代表のW杯予選シリア戦でもレーザーによる妨害を受けている。その一戦を3―0と完封。豊富な経験が生きた。

 今大会10得点のFWハルビンに1失点を喫した。だが前半23、33分のピンチではビッグセーブで応酬。念じたのは「先に動かないこと」。コースを消し、体ごとブロックした。ボールがサイドに入った際、ハルビンがファーに構えるという分析班のデータも頭に刷り込んでいた。価値あるドローに持ち込み、MVPにも輝いた。

 6万観衆の大半を敵に回した完全アウェーの一戦。試合後の会見では地元記者から「浦和はなぜ、前半から倒れて時間稼ぎをしたのか?」と悔し紛れの質問も受けた。西川は「そういう意識はない。難しい試合になるのは分かってました」と冷静に対処。「あれでイラっとしたら負け。記者もナーバスでしたね」。7カ月ぶりに日本代表復帰も果たした守護神は、精神的にもたくましかった。

 第1戦を1―1で折り返すのは前回優勝の07年決勝と同じVパターン。ACL準決勝の上海上港戦でフッキを止め、日本代表でブラジル代表のネイマール、ベルギー代表のR・ルカクらと対峙(たいじ)してきたDF槙野は「今はどんな相手とやってもそんなに。1―1は収穫しかない」と頼もしい。

 第2戦は25日、1次リーグから6戦全勝のホームで迎える。既に入場券は完売。「まだ何も成し遂げていない。ホームの力を借りて勝ちにいきたい」と西川。赤き歓喜は、もう目前だ。

 ◆レーザーポインターによる照射妨害 光線が直接目に入れば網膜損傷、頭痛などの症状が出る可能性もある危険な行為。中東の試合で多く、日本代表でも08年9月のバーレーン戦、13年3月のヨルダン戦などで見られた。GK川島、MF遠藤らがプレー中にレーザー光線による妨害行為を受けたヨルダン戦では試合後、日本サッカー協会がFIFAに抗議文を提出する事態に発展した。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月20日のニュース