×

日本、守備改善 ハリル監督「ライオン倒すところまでいった」

[ 2017年11月16日 05:30 ]

国際親善試合   日本0―1ベルギー ( 2017年11月14日    ベルギー・ブリュージュ )

前半、T・アザールと競り合い(左から)川島、槙野、山口
Photo By スポニチ

 日本代表は14日、ブリュージュでベルギーと親善試合を行い、0―1で敗れた。11人の連動したプレスが機能して、FIFAランク5位の強豪に善戦。守備に重点を置いた代償として攻め手を欠いたが、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は今遠征の招集を見送った本田、香川、岡崎の“ビッグ3”不在の戦いに一定の手応えを口にした。チームは16日に帰国する。

 試合後のロッカールームで、ハリルホジッチ監督はご機嫌だった。選手を集めて「君たちは大きなライオンを(もう少しで)倒すところまでいったぞ」と内容を評価。公式会見では「このチームに、物凄く可能性を感じた。守備はブロックをつくればある程度のチームからもボールを奪える」と胸を張った。W杯本大会の抽選で最もランクの高いポット1に入る強豪に0―1で敗戦。「負ければ病気になる」が口癖だが、用意された炭酸水をグビッと飲む姿は元気そのものだった。

 11人が連動した守備が機能した。1トップの大迫がプレスのスイッチを入れ、2列目の原口、浅野はパスコースを限定。インサイドハーフの井手口、長沢は相手ダブルボランチに厳しく寄せて、パスの供給源を断った。雹(ひょう)に見舞われて切り上げた試合前々日の紅白戦では先発組は仮想ベルギーの控え組に完敗。その夜、選手ミーティングを実施して意見をぶつけ合った。1―3で完敗した10日のブラジル戦で中途半端だった「前からプレスに行く、行かない」の状況判断について激論。意思統一を図った成果が表れた。

 それでも完封はできなかった。後半27分にシャドリに久保、森岡、吉田、槙野の4人がかわされ、最後はゴール前でフリーになったR・ルカクに被弾。吉田は「中盤も後ろも一瞬、気を緩めて中に入られてしまった。本来なら外に追い込むべきだった」と振り返った。数的優位を保ちながら、個の能力で突破される現実。最少失点に抑えたが、課題はある。

 今遠征は長年、日本の中核を担った本田、香川、岡崎の招集が見送られた。ブラジル、ベルギーとの連戦は2敗に終わったが、長友は「ポット1の国から勝ち点を取れる手応えはつかみました」と前を向いた。「2試合でいろいろな結論が導き出されました」と指揮官。“脱ビッグ3”に拍車がかかる可能性もある収穫ある黒星だった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月16日のニュース