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MF平川怜 17歳の決断の理由…プロ契約は「世界との差埋めるため」

[ 2017年11月12日 11:15 ]

高校生でプロ契約を結んだFC東京のMF平川(左)とFW久保
Photo By スポニチ

 FC東京の下部組織出身の最高傑作が、新たなスタートを切った。U―18所属のMF平川怜(17)がFW久保建英(16)とともにクラブ史上初めて高校生でプロ契約を結んだ。視野の広さとパスセンスが光る技巧派ボランチは10月のU―17W杯インド大会の主力として出場した逸材だ。「J1を目指してやるのが今の目標」と早期デビューを狙う。

 世界舞台ではじき返され、危機感は増した。U―17W杯では決勝トーナメント1回戦でイングランドにPK戦の末に惜敗。大会頂点に輝いた強敵の中心には、マンチェスターCのMFフィル・フォーデン(17)がいた。ビッグクラブのトップチームでもデビューを済ませた司令塔は、大会MVPに選出された。世界のスター候補生に挑んだ90分間の真剣勝負。結果は0―0だったが、平川は「やり切ったという手応えは全然つかめなかった」と振り返った。

 「世界との差を埋めるにはどうすればいいか」。熟考の末に出した答えが、プロ契約だった。「より高いレベルでやっていかないと」。2種登録選手としてユース大会やJ3を主戦場に戦ったが、トップチームに身を置いて成長を速めるという大きな決断。「現時点で技術は劣ってないと思う。それを武器にしたい」。その言葉に自信がにじんだ。

 ピッチ内外で、全てが新鮮な日々という。練習では、ユースとは比べものにならないプレースピードの速さを求められる。中学時代に友人から冗談交じりにサインをねだられたこともあったが、今では練習後のファンサービスは日課だ。その活動の一環として自身の出身地であるホームタウン・調布市の商店会を訪問すれば、慣れ親しんだ場所で声援を受ける。応援される意味を若くして知ることは、決してマイナスにならない。「サッカーに集中できる。練習以外の時間も有効に使いたい」。既に自覚が芽生えている。

 U―23チームの一員として臨んだ11日のJ3ホーム藤枝戦で、自身のJ初ゴールを挙げた。20年東京五輪も狙えるU―17世代屈指のパサーが、どのような成長曲線を描くか。注目していきたい。(大和 弘明)

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2017年11月12日のニュース