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C大阪ルヴァン杯V 健勇47秒MVP弾!25年目初タイトル

[ 2017年11月5日 05:30 ]

<ルヴァン杯決勝>優勝インタビューで絶叫するC大阪・杉本(中)
Photo By スポニチ

 ルヴァン杯決勝が4日に埼玉スタジアムで行われ、C大阪が2―0で川崎Fを下し、初優勝を飾った。開始早々の前半1分、今大会初出場の日本代表FW杉本健勇(24)が相手のミスから迎えたチャンスを生かして先制点。これが決勝点となり、MVPも獲得した。前身のヤンマーから1993年にC大阪となってからは初のタイトル獲得となった。

 いきなり訪れたビッグチャンスを仕留めた。試合開始のホイッスルが鳴ってから47秒。FW柿谷の頭から送られたボールをDFエドゥアルドが空振りして後ろへそらすと、瞬時に杉本が反応。GKとの1対1を迎え、冷静に右足でネットを揺らした。勝てば優勝だった05年のリーグ最終戦でのドロー(最終成績5位)をはじめ、00年第1ステージ、天皇杯など、ことごとく悲劇を味わったC大阪が、6度目の挑戦でようやく頂点にたどり着いた。終了と同時にピッチに突っ伏したヒーローの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

 「最初のチャンスで“絶対に俺たちが点取ろう”と話していた。自分が現役を終えるまでに、このクラブにタイトルをもたらしたいと思っていた」

 小学6年の時、C大阪スカウトの目に留まって同U―15に加入した。高校時代には、学校で問題を起こしたことから、クラブ関係者が謝りに出向いたこともある。やんちゃだった高校生が、いつしかクラブのエースとなり、孝行息子として初タイトルに貢献した。

 重圧があった。控え組主体で戦ってきたルヴァン杯。これまで32人が出場して勝ち上がってきた。代表活動などもあり33人目の出場となったのが杉本。「自分は今日の1試合だけ。ここまで連れてきてもらったメンバーに負けたら“顔を見せられへん”っていう不安もあった」。大会史上、フィールドプレーヤーでは初めての1試合のみの出場でMVPを獲得。恩返しの意味も込めた活躍だった。

 スペイン1部レガネスや同2部テネリフェなどが獲得に動いており、今オフに欧州移籍を果たす可能性は高い。去就に注目が集まる一方で、今度は日本代表の欧州遠征に臨む。「今日は勝利の余韻に浸ってもいいけど、自分は明日からまた勝負が始まる」。対戦するのはブラジルとベルギー。今度は世界屈指の強豪とバトルする。

 ▽セレッソ大阪 前身は1957年創部のヤンマー。93年に現チーム名に改称し、95年Jリーグ加盟。ホームスタジアムはヤンマースタジアム長居およびキンチョウスタジアム。「セレッソ(Cerezo)」はスペイン語で「桜」という意味で、大阪の市花。ヤンマー時代は日本リーグ制覇4度の実績があるが、J1では10年の3位が最高。天皇杯は準優勝3度。過去の主な所属選手は森島寛晃、西沢明訓、香川真司、乾貴士ら。

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