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C大阪・水沼 磨きかけた高精度のクロス 父を超えた右足で躍動

[ 2017年11月1日 10:45 ]

C大阪・水沼宏太
Photo By スポニチ

 J3にも出場していた昨季から一転、新天地で生き生きとプレーしている。J1で上位争いを繰り広げ、4日には初タイトルを懸けてルヴァン杯決勝川崎F戦(埼玉)に臨むC大阪にあって、右MFとして定位置を築いているのがMF水沼宏太(27)だ。

 FC東京に所属していた昨年はポジションをつかめず、夏から秋にかけてはFC東京U―23の一員としてJ3を主戦場としていた。鳥栖時代に師事し、今季からC大阪の指揮官に就任した尹晶煥「監督から「お前、こんなもんじゃないだろ」と誘われたこともあり移籍を決断。開幕戦磐田戦で右ハムストリング筋損傷を負い離脱を強いられたものの、今では欠かせない存在となっている。

 試合を見ていてうならされるのが、高精度の右クロス。今季、リーグではここまで8アシストを記録し、ルヴァン杯準決勝第2戦G大阪戦で終了間際に木本の決勝点をお膳立てしたのも水沼のクロスだった。「元々、キックは得意だった」という本人。その一芸に、磨きに磨きをかけてきた。

 「キックの上手い選手って、プロの世界で生き残っている。マリノスの時から先輩とクロスを蹴っていたし、鳥栖ではターゲット(FW豊田陽平)がいたから合わせられるように練習していた。(FC東京でも)気が済むまで蹴り込んでいて、自分の中で“これだけは”という思いはある」

 昨今、世界的にも少なくなったクロッサー。参考にしてきた選手を問うと「ベッカム」と返ってきた。「キックで生きているというか、キックであそこまでいった選手」。今でも昔の映像を見ることがあり、自分のプレーに生かしている。

 強化部門トップの大熊清氏は、国際Aマッチ32試合出場を誇る実父の水沼貴史氏を引き合いに出し「技術やスピードはお父さんに及ばないけど、クロスはお父さんより1・5倍上手いね」と評する。父を超えた右足で、ルヴァン杯のファイナルでも躍動する。(西海 康平)

 ◇水沼宏太(みずぬま・こうた) 1990年(平2)2月22日、神奈川県横浜市出身の27歳。あざみ野FCから横浜ジュニアユース、同ユースと進み08年にトップ昇格。J2栃木、鳥栖、FC東京を経て今季からC大阪に加入。1メートル76、72キロ。利き足は右。

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