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川崎F10人大逆転!“怪物”小林2発 憲剛400試合出場に花

[ 2017年10月15日 05:30 ]

明治安田生命J1第29節   川崎F3―2仙台 ( 2017年10月14日    等々力 )

仙台に逆転勝ちし、お立ち台で仮装マスクを脱ぐ小林
Photo By スポニチ

 7試合を行い、川崎Fはホームで仙台と対戦し3―2で勝った。前半に退場者を出し2点リードされたが、後半37分から主将のエースFW小林悠(30)の2得点を含む3得点で逆転。MF中村憲剛(36)の大卒史上2人目となるJ1通算400試合目を“J史上最高の逆転劇”で飾り、勝ち点59として悲願の初Vへ望みをつないだ。

 中村の記念すべき試合で劇的勝利を演出したのは、頼れるエース・小林だった。1―2の後半39分、左足を振り抜き同点にすると、その3分後に右足でミドルを叩き込んだ。逆転優勝に望みをつなぐ殊勲の2発。自身のシーズン最多得点を17に更新し「自分が決めるという強い気持ちだった」と振り返った。

 前半42分に家長が2枚目の警告で退場すると、不可解な判定に選手も熱くなり前半ロスタイムに失点。だが、鬼木監督がハーフタイムに「こういう試合をものにするのがタイトルを獲るチーム」とハッパを掛けると、火が付いた。後半15分に2失点目を喫するも「誰も諦めた表情じゃなかった」と中村。10人になっても戦術面で立て直し、絶体絶命のピンチを最後はエースが救った。

 小林は今季から主将に就任。FWは本来、エゴイストな部分も必要なポジションだ。一方でチームを引っ張る立場として、開幕当初はあえて厳しい言葉を発するなど責任も背負い込み、不振に陥った。それでも「点を取ることで引っ張る」と吹っ切れると、本来の姿を取り戻した。前主将の中村も「最初から“俺が、俺が”なら誰もついていかないが、悩む姿を見ていた。悠が点を取り、みんながついていく」と目を細める。今季は公式戦46試合中43戦出場で疲労も蓄積する中で、迷いのないプレーが劇的な2発につながった。

 メモリアルゲームで史上に残る逆転劇を味わった中村は「一生忘れない」。負ければ鹿島の独走を許しかねない崖っ縁で起こした奇跡。悲願の初タイトルはまだ諦めない。

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2017年10月15日のニュース