“東京五輪”の重圧に見合わぬ報酬…五輪代表監督の待遇改善を

[ 2017年10月15日 10:00 ]

広島を3度のJ1制覇へと導いた森保一氏
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 あまりにも安い。年俸4000万円。20年東京五輪代表監督に就任する森保一氏の給料である。広島監督時代は年俸7000万円。J1の18クラブの監督の平均年俸は5000万円を超える。歴代の五輪監督よりは高額とはいえ、広島をJ1リーグ3度の優勝に導いた名将に対しては、失礼ともいえる金額ではないか。

 クラブがサッカー文化の中心を占める欧州であれば、アンダーカテゴリーの代表監督に多額のサラリーを払う必要はない。だが、日本サッカー界は(残念ながら)クラブよりも代表の方が人気がある。56年ぶりに東京で開催される五輪代表となれば、A代表並の注目を浴びる可能性が高い。集客、広告、放映権、お金を生む力もJクラブとは比べものにならないはずだ。

 世の中の関心が高まれば、当然、重圧やリスクも増す。結果が出なければ、批判され、時には(あってはならないことだが)家族に危険が及ぶこともあるかもしれない。08年北京五輪で1次リーグ敗退した反町康治監督(現J2松本監督)は五輪後しばらく引きこもり状態に陥った。それほどプレッシャーのかかる仕事なのだ。

 手取り年俸200万ユーロ(約2億6500万円)。6大会連続のW杯出場を決めたA代表のハリルホジッチ監督の給料である。W杯アジア最終予選では初戦のホームUAE戦に逆転負けし、その後、1年間に渡り、解任危機にさらされ続けた。思ったことを率直に口にするサービス精神?も裏目に出て、発言や采配を叩かれることも多い。精神的負担も含め、重圧に見合った報酬だといえる。

 お金より、やり甲斐。薄給オファーの快諾は森保氏の男気にほかならない。Jリーグで若手の出場機会が乏しい現状を考えれば、U―23世代の監督に優秀な人材を確保することは重要だ。日本協会は最高の買い物をした形だが、今回のケースに甘えず、五輪代表監督の待遇改善を検討するべきではないか。

 68年メキシコ五輪以来、52年ぶりのメダル獲得が期待される20年東京五輪。報道側の人間として、場合によっては采配やチーム作りに厳しい目を向ける必要もあると思っている。たとえ、年俸4000万円であっても。(金額は推定)(木本 新也)

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