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ハリル監督「脱ポゼッション」宣言 代表発表前に異例の演説

[ 2017年9月29日 05:30 ]

日本代表メンバーの発表を前に欧CLのパリSG対バイエルンM戦を例にポゼッションについて独自の理論を語るハリルホジッチ監督
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 日本協会は28日、親善試合ニュージーランド戦(10月6日、豊田)、ハイチ戦(同10日、日産)に臨む日本代表24人を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)はメンバー発表前にポゼッション(ボール支配率)にこだわる日本サッカー界に異を唱える異例の演説を敢行。来年6月14日に開幕するW杯ロシア大会で結果を出すため「脱ポゼッション」の重要性を説いた。

 異例の演説は約18分にも及んだ。ハリルホジッチ監督は会見の冒頭で「メンバー発表の前に少し話をしたい」と切り出し、ポゼッション偏重の日本サッカー界に疑問を呈した。

 「日本に来てから皆さんや指導者の方々と話をするが、ポゼッションという言葉をよく耳にする。日本サッカーの教育はポゼッションをベースにつくられているが、相手よりボールを持ったからといって勝てるわけではない」

 前夜は午前3時45分キックオフの欧州CL、パリSG―バイエルンM戦をテレビ観戦。パリSGが3―0で快勝した試合に関する仏レキップ紙のデータを確認した上で、この日の演説敢行を決めた。同紙によると、パリSGのボール支配率は37・6%。パス本数368(バイエルンM568)、CK数1(同18)が大きく相手を下回った一方で、デュエル勝率は57・4%で上回った。会見場に持ち込んだホワイトボードに数字を記し「ポゼッションのみでは意味がない」と繰り返した。

 過去のW杯とも整合性は取れている。日本は10年南アフリカ大会の1次リーグ3試合のボール支配率は42・3%だったが、16強入りを果たした。一方、14年ブラジル大会は同55・7%と高い数字を残しながら1次リーグで敗退した。ハリルホジッチ監督は「サッカーは不確実な科学。唯一の真実は結果です。ここからはまったく別世界に踏み込む」と言った。「脱ポゼッション」宣言は、W杯仕様のスタイルへ転換する意思表示。9カ月後の本番に向け、現実路線を突き進む。

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