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インテル好調の秘密 スパレッティ監督“お買い得補強”で名門再建

[ 2017年9月26日 09:00 ]

ジェノア戦で選手に指示を出すインテルのスパレッティ監督(AP)
Photo By AP

 日本代表DF長友佑都(31)の所属するインテル・ミラノが好スタートを切った。24日、長友はベンチで出番がなかったホームのジェノア戦で、1―0と競り勝ち今季4度目の完封勝利。5勝1分け無敗で勝ち点を16に伸ばし、首位ナポリから勝ち点2差の3位をキープした。今夏に就任したルチアーノ・スパレッティ新監督(58)はセリエA通算200勝をマーク。昨季までローマを率いたベテラン指揮官が、昨季7位に沈んだ名門を再建しつつある。

 今季のインテル・ミラノを象徴するような“粘り勝ち”だった。0―0で迎えた後半42分、左CKからDFダンブロージオが頭で決勝ゴール。今季チーム12点のうちラスト15分でリーグ最多の8点を挙げており「最後まで全力を尽くすというチームのメンタリティー(精神的な強さ)、スピリットを築き上げようとしている。良い兆候だと思う」とスパレッティ監督。就任後、選手に求めてきた諦めない姿勢を称えた。

 好発進の主因は、リーグ最少2失点の堅守。リーグ屈指の戦術家として知られる新指揮官が鍛え上げた成果だ。キャンプから戦術をポジションごとに練習し、DFラインにはボールに対するポジショニング、体の向き、動きなどを綿密に指導。長友は「守備の指示はムチャクチャ細かいし、相当厳しい。攻撃的な監督とは言われるが、守備も相当やっている」と説明した。

 堅守を支えるのが地味な補強だ。ACミランが移籍金総額で2億3000万ユーロ(約306億円)を超える大量補強を行ったのとは対照的に、監督が望む守備の即戦力を中堅クラブから獲得。ともにフィオレンティーナから加入した32歳のスペイン人バレロ、26歳のウルグアイ代表ベシーノはボランチに定着。サンプドリアから加入した22歳のスロベニア代表シュクリニアルとともに安定感をもたらした。3人合わせて移籍金は推定5400万ユーロ(約72億円)と“お買い得”といえる。

 攻撃は昨季チーム最多24得点のイカルディ、マンチェスターU移籍が噂されたペリシッチ、カンドレーバの“3本柱”が不変だが、スパレッティ監督は組織的な伸びしろがまだあると見る。「ナポリ、ユベントスと少し差はあるが、チームの潜在能力を発揮できれば抜くことができる」。5連覇を果たした09〜10年以来の復活Vを果たせば、58歳のベテラン指揮官にとって初のセリエA制覇となる。

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2017年9月26日のニュース