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ハリル監督 8大会ぶり屈辱も前向く「まだまだ伸びしろある」

[ 2017年9月7日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本0―1サウジアラビア ( 2017年9月5日    ジッダ )

指示を出すハリルホジッチ監督
Photo By スポニチ

 完全アウェーの会場が歓喜に揺れる中、ハリルホジッチ監督はベンチに座ったまま動けなかった。日本が目前でW杯出場を決められるのは、86年W杯メキシコ大会予選以来8大会ぶりの屈辱。「予選の最後を勝利で飾りたいと思っていたので悲しい。暑さ、湿度の影響もあり、爆発力がありませんでした」と悔しさをかみしめた。

 W杯へ課題を露呈した。6大会連続の本大会出場を決めたオーストラリア戦から中4日。気温33度、湿度78%の悪条件下で4―1―4―1布陣が機能不全に陥った。オーストラリア戦は中盤での激しい守備からの速攻がはまったが、この日はプレスがかからず高いラインを保てなかった。原口は「この気候でやるのは不可能」と厳しい表情を浮かべた。

 W杯ロシア大会は来年6月14日〜7月15日に開催 される。比較的涼しい環境が予想されるが、モスクワやソチなどでは最高気温30度超を記録する年も珍しくない。本大会では相手や気候、試合展開など状況に応じて戦術を調整する柔軟さが求められる。

 リードを許して相手が無理に攻めてこない展開になった際の戦い方にも工夫を欠いた。サウジアラビアは終盤に露骨な時間稼ぎを展開。吉田がイライラを募らせるなど冷静さを失ったこともいただけなかった。

 指揮官は「岡崎と杉本にチャンスを与えるため」と攻撃の軸である大迫をベンチ外にしたが、ボールが収まらず前線に攻撃の起点ができなかった。大迫が常にトップパフォーマンスを維持できる保証はないだけに、センターFWの2番手の発掘は急務。一方で、DFラインは要の吉田に代わってチャンスを与えられるような選手すら出ていない。

 多くの課題をさらけ出したが「このチームはまだまだ伸びしろがある。W杯までに成長したい」と前を向いた。W杯開幕まで約9カ月。残された時間で世界仕様のチームにカスタマイズする。

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2017年9月7日のニュース