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“当落線上”本田、代表サバイバルで狙う10戦ぶり復権弾 サウジ戦先発濃厚

[ 2017年9月5日 05:45 ]

W杯アジア最終予選B組   日本―サウジアラビア ( 2017年9月5日    サウジアラビア・ジッダ )

<サッカー日本代表練習>競争に負けない!ダッシュする本田(右)
Photo By スポニチ

 日本代表は5日(日本時間6日午前2時30分)、W杯アジア最終予選のサウジアラビア戦に臨む。本大会出場を決めた8月31日のオーストラリア戦で出番のなかったFW本田圭佑(31=メキシコ1部パチューカ)は、右FWとして先発出場することが濃厚。4日の最終調整でも真剣な表情でランニングを行うなど、“消化試合”といった様子はみじんも見せなかった。

 崖っ縁に立つ本田が復権の一撃を狙う。4日の最終調整前に行われたピッチでのミーティングでは、ハリルホジッチ監督の話を真剣な表情で聞き入っていた。その後のランニングでも笑顔はなし。W杯出場を決めた安ど感など少しも感じさせなかった。

 3日に非公開で行われた戦術練習では、右FWで主力組に入ったという。代表では1―1で引き分けた6月のイラク戦以来の先発が濃厚。「危機感は人よりも持っている」――。若手の台頭により、本大会のメンバー入りに向け当落線上にいるという自覚があるからこそ、この一戦で結果を出す必要がある。

 オーストラリア戦では右サイドに抜てきされた浅野が、決勝ゴールを挙げた。本田はその瞬間をベンチで迎えたが、信念がブレることはない。「あまりジタバタはしていない。ここから劇的に体力が伸びるわけでもないし、成り上がるためだけのサッカーキャリアではもうない」。指揮官が志向する縦に速いスタイルに、遅攻を織り交ぜ、したたかに得点を狙う“本田色”を加える。

 本大会に向け、サウジアラビア戦は数少ない真剣勝負の舞台。今回は6万人以上の相手サポーターが押し寄せるとみられ、完全なアウェー状態。本田は現在、自己ワーストの国際Aマッチ9試合無得点が続いており、中立地を除く中東でのアウェー戦も過去5戦ノーゴールだ。だが、W杯出場を懸け本気で挑んでくるサウジアラビア相手に、得点を決めることができれば、存在感が際立つのは間違いない。さらに日本代表では13年9月6日のグアテマラ戦の遠藤以来、FK弾を決めた選手がいない。プレースキッカーとして出番があれば、もちろん蹴りにいくつもりだ。

 「人は死ぬし、サッカー選手は引退するし、僕も引退する。若手も出てくる。そういう意味では自然」。現状を受け入れる本田は「結果を出す組織は若手とベテランが融合できる」とも言う。不要論を結果で黙らせてきた男が息を吹き返すか。それとも、世代交代の波にのみ込まれるか。31歳が迎える正念場。その答えは、ジッダのピッチにある。

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