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柴崎トップ下!2年ぶり代表招集で先発抜てきへ 31日豪州戦

[ 2017年8月30日 05:30 ]

吉田(右)、本田らと笑顔で練習に汗を流す柴崎
Photo By スポニチ

 日本代表は31日、埼玉スタジアムで開催されるW杯アジア最終予選でオーストラリアと対戦する。勝てば6大会連続のW杯出場が決まる大一番。2年ぶりの代表復帰を果たしたMF柴崎岳(25=ヘタフェ)が司令塔として先発する可能性が浮上した。スペイン移籍を経て、心身ともに成長。しびれる戦いで自らの存在価値を証明する。

 大舞台で千両役者となるのは、この男かもしれない。W杯出場が決まる大一番。柴崎の腹は据わっていた。「こういう舞台は慣れている。鹿島時代から含めて、大一番や意味を持つ試合は何度も経験している。自分が出たら、結果を残して導いていきたい」。2年ぶりの代表とは思えない、気負いのない物言いだった。

 冒頭15分を除いて非公開の練習。主力組では岡崎をサイド、柴崎を中盤に配置する布陣を試したもようだ。オーストラリアはサイド攻撃を特長とする半面、その裏のスペースは日本にとって狙いどころ。広い視野を持つ25歳の展開力がカギを握る。呼吸を合わせるFW候補は9人と多いが「ほとんどの選手とプレーしたことがある。誰とやってもコミュニケーションをとってやれると思う。2年ぶりとはいえ、全然問題ない」と言い切った。

 長らくMF香川らが君臨してきた司令塔。大一番が世代交代の時と重なった。今回の代表に92年生まれの同級生は5人。「こういう年代が出てこないと未来はない。今の中心選手がずっといるわけではないという自覚を持たないと」。鹿島で同期のDF昌子も「“こいつに付いていったら勝てるんじゃないか”と思わせる雰囲気がある」と慕う25歳が先頭に立って未来を変えていく。

 代表から遠ざかった2年間。スペイン移籍を経て、プレーも心も成長した。ボランチだけでなく、サイドや前線など複数の位置を経験。「プレーの幅が広がった」と自負が生まれた。心にも余裕ができた。今年1月にスペイン2部テネリフェに移籍した直後は体重を約6キロ落とすなど適応に苦しんだ。異国の地での葛藤を乗り越えた今は、こう思う。「こうやって選手としても人間としても大きくなっていくんだろうなあと」。試行錯誤を楽しむ余裕さえある。

 6大会連続の切符が懸かる決戦。司令塔には試合をコントロールする柔軟さも求められる。「チーム全員で意思疎通することが大事。それをアシストしたい」。日本は過去にホームで勝ってW杯出場を決めたことはない。どんな舞台にも動じなくなった柴崎が、歴史的瞬間を引き寄せる。

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