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札幌 浦和撃ち!本拠メモリアルゲームで都倉&ジェイ祝砲2発

[ 2017年7月30日 05:30 ]

明治安田生命J1第19節   札幌2―0浦和 ( 2017年7月29日    札幌ド )

浦和を破り、サポーターの声援に応える札幌のジェイ(左)と都倉
Photo By 共同

 メモリアルゲームで浦和撃破だ!札幌は29日、本拠地・札幌ドームで浦和と対戦。FW都倉賢(31)のゴールなどで2―0で快勝した。都倉は自身のJ1シーズン最多得点に並ぶ今季6得点目、札幌ドーム最多の30得点目。リーグ戦のホームゲーム500万人を達成した一戦で、クラブ通算10度目の3万人超えとなる3万3353人の大声援に応えた。勝ち点を19に伸ばしたチームは順位を14位に上げた。

 地鳴りのような大歓声が札幌ドームを包み込む。今季最多動員となった本拠地でエースの復活と新戦力の躍動。浦和からもぎとった2試合ぶり白星は“オールコンサドーレ”での勝利でもある。ただ、主役は間違いなくこの男だった。

 「自分が外して負けてきた試合もたくさんあったから」。魂でねじ込んだ都倉の10試合ぶりの一発は、前半32分だった。DF福森の左CKを日本代表のDF槙野に競り勝ち、ゴール中央から豪快に頭で合わせた。

 その7分後、槙野と激しく競り合った際に槙野の左足が都倉の顔面に当たった。このプレーで都倉はイエロー、槙野はレッドカードで退場。思わぬ形で有利な展開となったが、都倉の戦う姿勢が浦和のキーマンの退場を誘ったのも確かだ。

 今季、都倉はかつてないほど苦しんだ。序盤戦こそ9戦5発と結果を残したが、その後は決定機をことごとく外し、エースの沈黙とともにチームも泥沼の6連敗。ネットでは戦犯に挙げられて叩かれた。得点以外の貢献度も高かったが、FWは得点が全て。どん底でも「ボロクソ言われたけど、でも、期待されている証だから」と懸命に前を向いた。

 そんなエースのゴールは新戦力も躍動させる。サプライズ先発でリーグ戦デビューの“タイのメッシ”MFチャナティップが攻撃の起点となれば、札幌で初陣となったFWジェイは途中出場で後半43分に貴重な追加点。フロントの的確な補強と監督采配も光った。

 昨オフ、札幌では都倉自身初となる複数年契約を結び、札幌の今季J1残留&定着への覚悟を示した。すでに札幌市内にマイホームも購入。8月末に引っ越し予定で、同月に第1子も誕生予定だ。そんな覚悟が生んだゴールは、節目の札幌ドーム通算30得点目。文字通りの“ドーム男”はこう言った。

 「足が止まりそうな時も、スタンドを見上げれば最後の一歩が出た」。リーグ戦通算500万人動員を記録し、赤黒に染まった本拠地での一戦。誰もがメモリアルな勝利に酔いしれた。

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