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大久保 移籍後初2発!FC東京を今季初の3連勝に導く

[ 2017年5月8日 05:30 ]

明治安田生命J1第10節   FC東京2―0仙台 ( 2017年5月7日    ユアスタ )

<仙台・FC東京>試合終了後、サポーターを背に引き揚げるFC東京・大久保嘉。ヨシメーターは「175」に
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 3試合が行われ、FC東京はアウェーで仙台を2―0で下して4位と1つ順位を上げた。元日本代表FW大久保嘉人(34)が移籍後初のマルチ得点となる2ゴールの活躍を見せて、自身のJ1通算最多得点記録を175と更新した。リーグ戦3試合連続の完封で今季初の3連勝。タイトル獲りに本気の首都クラブがいよいよ波に乗り、首位・鹿島との勝ち点差を2とした。

 針の穴を通すような正確なシュートだった。前半21分、左CKのこぼれ球に大久保嘉が反応した。約15メートルの距離から浮き球を右足でうまく押さえつけ、低い弾道の鋭いシュートを対角線のゴール左隅へ突き刺した。勝利への流れをつくる先制ゴール。「吹かさないようにね。DFが(ゴール前に)立っていたから、どうかなと思ったけど。最後にボールが伸びたからDFの反応が遅れた」。34歳のストライカーが見せた円熟の技だった。

 ゴールへの嗅覚も健在だ。後半12分には仙台のGKシュミット・ダニエルが直接FKの処理を誤ってファンブル。そこに真っ先に詰め、右足で2点目をねじ込んだ。自身36度目のマルチ弾で、J1通算最多得点を175点まで伸ばした。

 プロフェッショナルとは何か――。それを背中で示し続けている。試合2日前の5日。全体練習終了後に突然、猛ダッシュを繰り返した。5月に入り激しくなった日差しを浴びながら、大粒の汗を流した。矢野フィジカルコーチに相談して決めた自主トレだった。チームが変われば、スタイルも変わる。前線からの守備が身上であるチームのために100%の準備を怠らない。

 試合では最終ラインに猛プレスを掛け、何度もマイボールに変えた。ボレーシュートを試みた後半33分につった右足を伸ばす場面もあり、42分に今季初の途中交代を告げられた。身を粉にするベテランの姿に、DF太田は「守備で戦う背中を見て、僕たちもついていきたくなる」と言った。

 今季初の3連勝で4位に浮上した。「俺にシュートを打たせてくれれば入るよ」。ゴール前での働きには揺るぎない自信があるが、戦術に適応する模索は続く。「苦しいよ。けど、やるしかない」。自己犠牲をいとわずに、FC東京をさらなる高みへ導く。

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