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川崎F出直し3発 旭日旗問題で処分もチーム団結“らしさ”爆発

[ 2017年5月6日 05:30 ]

明治安田生命J1リーグ・第10節   川崎F3―0新潟 ( 2017年5月5日    等々力 )

<川崎F・新潟>「差別、暴力のない世界を!」と書かれたバナーの横でサポーターにプレゼントを渡す車屋(右)
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 2試合が行われ、川崎Fはホームで新潟に3―0と快勝した。1―0の後半5分に今季4得点目を決めた主将の日本代表FW小林悠(29)を中心に今季公式戦最多の3得点。試合へ向けた選手ミーティングの効果もありリーグ戦5戦ぶりの白星を挙げ、勝てば予選突破が決まる9日のACL、イースタンSC戦へ弾みをつけた。G大阪はホームで清水と対戦し、1―1で引き分けた。

 苦境の中で“らしさ”を一気に爆発させた。前半40分にハイネルの来日初得点で先制し、終わってみれば今季チーム最多の3得点。エース小林が1得点1アシスト、阿部が1得点2アシストと前線の役者たちがそろって活躍し、小林は「戦って勝ったことで、またチームが一つになれると思う」と、リーグ5戦ぶりの勝利をかみしめた。

 0―2で完敗した4月30日のC大阪戦。鬼木監督は試合後、「一人一人戦うところから見直さないといけない」と指摘した。これを受け、2日の練習後には小林ら数人で青空ミーティング。その翌日には全選手でミーティングを開き、韓国代表としてW杯2度の出場経験を持つGK鄭成龍(チョンソンリョン)はチームが再びひとつになる重要性を口にした。この日は苦しい時間帯もお互い声を掛け合った。C大阪戦でPKを失敗し、責任を背負った小林は「ピッチで晴らさないといけなかった」とホッとした表情で振り返った。

 フロンターレらしさが戻ってきた。1―0の後半5分だ。長谷川は左サイドを鋭いターンで突破し、中でパスを受けた阿部がペナルティーエリア内に走り込んだ小林に絶妙のスルーパス。連係で崩して勝つ本来のスタイルを見せつけ、今季から加入の阿部も「やっとフロンターレの一員になれたと感じた」と満面の笑みで振り返った。

 MF大島とDFエドゥアルドが先発し、DF武岡も途中出場で左膝軟骨損傷から昨年11月以来の復帰を果たした。前日にはサポーターがACL水原戦で旭日旗を掲げた問題で、アジア・サッカー連盟(AFC)から処分が下ったが、団結して逆風をはねのけた。腰痛の司令塔・中村、FW家長の復帰も間近だ。小林は「これからもっともっと強いフロンターレを見せられると思う」。この勢いで9日のACLで予選突破をつかみ、リーグ戦も反撃に出る。

 ▼旭日旗問題 4月25日に水原で行われたACL1次リーグ、水原―川崎Fで川崎Fサポーターの男性2人組が旭日旗を掲出。アジア・サッカー連盟(AFC)はアウェーチームの観客の差別的行為や行動責任の規約に抵触するとして、4日に川崎Fに対し1年間の執行猶予付きでAFC主催試合でのホーム戦1試合を無観客とする処分と、罰金1万5000ドル(約170万円)を科した。

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