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15歳久保“メッシ先輩の道”だ!飛び級招集U20W杯V宣言

[ 2017年5月3日 05:30 ]

U―20日本代表に選ばれ、ボールを持って笑顔でポーズをとる久保と波多野(右)
Photo By スポニチ

 日本サッカー協会は2日、5大会ぶりに出場するU―20W杯韓国大会(20日開幕)に臨む同日本代表を発表し、15歳のFW久保建英(FC東京U―18)が飛び級で招集された。日本代表史上最年少での選出となったドリブラーは、男子代表史上初となる優勝を目指すと力強く宣言。同じバルセロナの下部組織出身のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(29)がブレークした舞台で、その名を世界へとどろかす。久保は3日にはルヴァン杯札幌戦(味スタ)でトップチームデビューする予定だ。

 天才ドリブラーが、いよいよ日の丸をつけて初の世界大会に挑む。史上最年少15歳でのU―20W杯メンバー入り。Jリーグ最年少ゴールなど、着実に結果を残して飛び級でメンバー入りを果たした久保は「正直、素直にうれしいです」と言うとあどけなく笑った。

 大会中に16歳の誕生日を迎えるが、つい数カ月までは中学生だった。それでも4月29日に開かれたスタッフ会議では異論なく選出が決まったという。U―20日本代表の内山監督は「高いレベルでプレーさせた方がより効果が出る」と期待を寄せた。

 U―20W杯は世界中の有望株が集結するアンダー・カテゴリーの最上位大会。久保は「年齢が下だからミスしてもしょうがないというのは許されない」と厳しいハードルを自らに課した。そして何より高いレベルでの真剣勝負に飢えている。「日本を代表する選手になるだけでなく、世界でもトップレベルの選手になりたい」。超一流へステップアップするための舞台とも位置づけた。

 過去に多くのスターを生み出してきた大会でもある。好きな選手を問われた久保が「やっぱりメッシ選手」と切り出した憧れの存在も、その一人だ。メッシも18歳だった05年オランダ大会に飛び級で出場し、得点王、最優秀選手に輝く活躍でアルゼンチンを優勝へ導いた。同年にはA代表に抜てきされ、翌06年にはW杯ドイツ大会に出場。メッシがその運命を変えたように、久保も世界に名前をとどろかせるチャンスがある。「優勝しようと思ったら、どのチームも倒さないといけない。出るからには一番の目標は優勝」。同じバルセロナ下部組織の先輩に続くつもりだ。

 「自分は何とか運を味方につけた結果ここにいる。5大会ぶりの出場で注目度が増している中で結果を残せれば、また運が向いてくる」。結果とはチームの勝利に直結するゴール。「どのゴールも1点は1点。泥くさくこぼれ球とか、形にとらわれずに貪欲に狙いたい」。身長はこの1年で約7センチ伸びて1メートル70となり、技術もフィジカルも進歩を遂げている。成長著しい15歳が世界を相手にスターダムを駆け上がる。

 ≪森本17歳 中田、香川18歳≫日本はU―20W杯に前身大会を含めて過去8度出場し、15歳の選手が選出されたことはない。J2名古屋の風間監督や南(横浜FC)森本(川崎F)らが17歳でメンバー入りし、中田英寿氏や平山(仙台)香川(ドルトムント)らは18歳で出場している。

 ◆久保 建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、神奈川県川崎市生まれの15歳。川崎Fの下部組織から11年4月にバルセロナの入団テストに合格して同年9月に下部組織入り。クラブへのFIFAの制裁によりプレーできなくなり15年3月に退団。同年5月からFC東京U―15に所属し16年に同U―18に昇格。J3FC東京U―23としてマークした15歳5カ月1日の初出場、15歳10カ月11日の初得点はJ最年少記録。1メートル70、63キロ。利き足は左。愛称は「タケ」。

 ▽U―20W杯 前身は世界ユース選手権。1977年に第1回大会が開催され、2007年大会から現在の大会名となった。日本は小野(札幌)らを擁した99年大会で準優勝したのが最高成績。今大会は24チームが6組に分かれて1次リーグを行い、各組上位2チームと、3位のうち成績上位4チームが決勝トーナメントに進む。

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