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松本が新事業!クラブ名の由来通り「喫茶山雅」オープン

[ 2017年4月27日 11:30 ]

喫茶山雅の外観
Photo By スポニチ

 J2松本が興味深い事業を始めた。今年2月25日、市内屈指の観光地である松本城近くに「喫茶山雅」がオープン。松本にちなんだ食事のメニューが並ぶ。トップチームがアウェー戦を行う際は、抽選で選ばれた限定50人がパブリック・ビューイングで応援できるという。館内のBGMは反町監督がセレクトするなど、ユーモアたっぷりの空間となっている。

 なぜカフェではなく喫茶店か。長野県内では有名だが、クラブ名の「山雅」は松本駅前にあった喫茶店が由来だからだ。65年に「山」と「優雅」を組み合わせて付けた喫茶店「純喫茶山雅」が開店。そこを憩いの場としていた国体の長野県選抜メンバー有志が「山雅フットボールクラブ」として活動を始めたことがきっかけだった。

 同駅前の再開発に伴い78年に閉店してしまったが、練習前後や仕事帰りに当時のメンバーたちが語らった喫茶店での“夢”はのちに実現する。12年にJ2に昇格し、15年にはクラブ史上初めてJ1へ。未来を切り開いてきた松本が、クラブ設立50周年となる15年に過去へのリスペクトを込めた記念事業として復活を目指してきたものだった。

 当時JFLの松本に在籍していた元日本代表DFの故・松田直樹さんを11年春に取材した時に、印象的だった言葉がある。「(移籍したのは)本当に、お金とかじゃないんだよね。チーム、クラブ、サポーターが一つになれる。そんなクラブだと思ったから」。熱血漢がそこまで感じさせたクラブのエネルギーが生まれた原点。その復活は、さらなるクラブの発展を予感させる。

 ちなみに、人気メニューはコーヒーの「トラディショナル・ブレンド」(380円)。当時のオーナーの娘さんに当時を再現してもらった味だという。J1への再昇格、そして優勝、日の丸を背負うスター選手の誕生…。「喫茶山雅」でコーヒー片手に語る人々の新たな夢が実現する日は、そう遠くないかもしれない。(記者コラム・大和 弘明)

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2017年4月27日のニュース