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【記者の目】W杯アジア枠の大幅増、実力より経済的恩恵を重視

[ 2017年4月1日 08:25 ]

2026年W杯 大陸別出場枠案

 日本協会の田嶋会長がスポンサーについて言及したように、アジア枠の大幅増は、FIFAが実力よりも経済的側面を考慮した結果といえる。

 FIFAは15年に発覚した汚職スキャンダルの影響でスポンサー離れが進み、昨年2月の理事会で約125億円もの赤字を報告。W杯拡大を公約に当選したインファンティノ新会長は、参加チームが48チームに増えることで、約740億円の利益増加が見込めると商業面の効果をアピールしていた。

 その期待を担うのが、アジアの中でも近年サッカーに膨大な投資を行っている中国や、プレミアリーグなど欧州に巨額の放映権料を支払っているタイ、シンガポール、マレーシアなど東南アジア勢。現状でW杯は現実的ではない新興国が枠の拡大によって本大会出場を果たせば、98年フランス大会に初出場した日本のように人気が沸騰。FIFAは放映権料、スポンサーの増加という恩恵を得ることができる。(海外サッカー担当・大久保 尚文)

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2017年4月1日のニュース