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「ルーニー不要論」加速 イングランド“代役”攻撃陣の活躍で無敗

[ 2017年3月28日 10:20 ]

W杯欧州予選F組   イングランド2―0リトアニア ( 2017年3月26日 )

代表で居場所がないイングランドのルーニー
Photo By ゲッティ=共同

 F組首位のイングランドは26日、ホームでリトアニアに2―0と快勝。無敗(4勝1分け)をキープし、勝ち点を13に伸ばした。3年4カ月ぶりに復帰したFWジャーメイン・デフォー(34=サンダーランド)が前半22分に先制点を挙げ、13年3月のサンマリノ戦以来4年ぶりの得点をマーク。今回選出外となった主将のFWウェイン・ルーニー(31=マンチェスターU)は自身の“代役”が活躍したことで、立場がより厳しくなった。

 “ルーニー不要論”を加速させる活躍だった。今回のメンバーで最年長の34歳FWデフォーが復活弾。前半22分、左サイドを突破したMFスターリングからの折り返しを右足で押し込んだ。「代表に復帰できたのは特別」と感激の表情。試合前に一緒に入場した、小児がんと闘う5歳のブラッドくんに4年ぶりの代表ゴールをささげた。

 1トップで先発したデフォーに代わり後半15分から出場したバーディーが同21分に追加点。MFララナの好パスを中央で受けて今予選初得点を決めた。エース不在の攻撃陣が機能し快勝。ルーニーに代わってゲーム主将はGKハートが務め、背番号10は20歳のMFアリがつけてトップ下で躍動した。デーリー・テレグラフ紙は「イングランドはルーニーがいなくても前進できることを示した。クラブでの状態が上がらなければ復帰させる理由はない」と切り捨てた。

 イングランド代表でルーニーの実績は圧倒的だ。03年に当時史上最年少の17歳111日で初出場。同年の史上最年少の17歳317日での初ゴールを皮切りに14年連続で53得点を積み重ねた。15年には伝説のボビー・チャールトン氏(49得点)を抜いて最多記録を樹立。一方で近年、クラブでの成績は急降下。昨季はケガや中盤でプレーした影響もあってリーグ8得点に終わり、2桁得点が11季で途切れた。今季は大型補強や自身の不調で出番が減り、リーグ18試合2得点にとどまっていた。

 昨年12月に暫定監督から正式に昇格したサウスゲート監督は実績よりもクラブでの調子を重視し、今回ルーニーを選ばなかった。英紙サンによると負傷以外でのメンバー落ちはデビュー以来初めてで、指揮官は「他の選手はクラブで結果を残している。代表入りは競争だ」と特別扱いしない考えを明確にした。

 FWの中心は昨季プレミアリーグ得点王の23歳ケインで不在のチャンスにデフォー、バーディーが猛アピール。2列目もアリ、ララナがともに活躍した。サウスゲート監督は25日の会見で「もちろん構想に入っている。代表を引退する理由はない」と浮上してきたルーニー引退論を否定したがクラブで復調し結果を残さなければ、本当に代表引退に追い込まれかねない情勢だ。

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2017年3月28日のニュース