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ハリル監督 UAE戦快勝も喝「タイに勝たなければ意味はない」

[ 2017年3月26日 05:30 ]

円陣でハリルホジッチ監督の話を聞く日本代表イレブン
Photo By スポニチ

 円陣の中央に鬼の形相が仁王立ちした。ハリルホジッチ監督に勝利の余韻など無縁だ。練習前、全選手、スタッフに言い放った。「まだUAEに勝っただけだ。まだ何も終わっていない!W杯の切符をつかめたわけではない!タイに勝たなければ意味はない」。怒号に近い口調。勝ってかぶとの緒を締めた。

 敵地で快勝したUAE戦だったが、代償は小さくなかった。FW大迫(左足打撲)、新たな4―3―3布陣の肝として1得点、守備でも絶大な貢献を見せたMF今野(左第5趾=し=基節骨骨折)の離脱が決定。高萩も右母趾(ぼし)末節骨骨折が判明。負の連鎖に襲われた。だからこそ、より危機感を強めていた。

 動きは素早い。新たに小林、遠藤を追加招集した。練習前、小林に「今回は真ん中(1トップ)を意識してほしい」と個別に伝えた。浦和ではDFの遠藤にもボランチでの起用を示唆した。大迫、今野の代役を視野に入れていた。西野技術委員長は「監督は凄くタイを警戒している。UAE戦の直後にも選手には伝えていた」と話す。頭の切り替えも素早かった。

 アジアサッカー連盟によるとUAE戦のシュート数で大迫が1位(4本)、今野はタッチ数(92回)、タックル数(6回)など複数部門でチーム1位だった。敗れれば去就問題の再燃の可能性もあったUAE戦を乗り越えたのもつかの間、28日のタイ戦では勝利の立役者を2人も欠く事態。1次リーグB組最下位に沈む相手だが、ハリル監督に気の緩みは一切ない。

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2017年3月26日のニュース