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独ジャーナリストが語る長谷部 金字塔の礎になった練習ノート

[ 2017年3月7日 08:12 ]

フライブルク戦を終え、観客の声援に応えるEフランクフルトの長谷部
Photo By 共同

 フランクフルトの日本代表MF長谷部誠(33)が5日、ホームのフライブルク戦にフル出場。ドイツ1部の通算試合出場数を235試合とし、奥寺康彦の234試合を上回る日本人最多記録を打ち立てた。フランクフルトなどを取材する現地ジャーナリストのトビアス・シェヒター氏が明かす、長谷部の“金字塔”を支えた練習ノートとは――。

 この親しげでチームから愛されている選手が記録に刻まれたのを、祝福しない者などいないだろう。長谷部のその勤勉さと野心は、ブンデスリーガ日本人選手最多出場という記録に値する。彼はプロになってから10年以上、練習内容をノートに書き留めてきた。現役を引退した後、ドイツで監督になるための鍛錬を積むつもりだからだ。もう長い間、監督と同じようにさまざまなことを考えてきた。それはチームメートにとっての手本であり彼の一つの強みでもある。

 長谷部は33歳にして毎試合先発に名を連ねているが、単なるまとめ役というわけでもない。インテリジェントであるだけでなく、豊富な運動量でピッチを走り回り、とてつもない献身を見せる。長谷部は監督がチームに欲しいと思うようなタイプの選手だ。いつも奥ゆかしい彼は、25日のヘルタ戦でも10季目で234試合目のブンデスリーガ出場について流ちょうなドイツ語で謙遜した。ボルフスブルク、ニュルンベルクでもプレーしてきた彼にとって、今季はキャリア最高のシーズンだろう。

 コバッチ監督は「以前ザルツブルク(オーストリア)で宮本恒靖(現G大阪U―23監督)とともにプレーしたが、彼は日本代表の主将を長く務めたアイコン(象徴的存在)だった。ハジ(長谷部)には言ったんだ。“今度は君がアイコンになるんだ”とね」。そして彼はドイツで新たな記録保持者になった。

 ◆トビアス・シェヒター 1970年生まれ。高級紙「南ドイツ新聞」や一般紙「taz」などに寄稿するフリーランスのジャーナリスト。フランクフルト、ホッフェンハイム、マインツなどを担当。現役時代はカイザースラウテルンのセカンドチームなどでプレーした。

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