×

長谷部飽くなき向上心 奥寺超えじゃ足りない「突き抜けた記録を」

[ 2017年3月7日 05:30 ]

フライブルク戦の後半、攻め込むEフランクフルトの長谷部(右)
Photo By 共同

 前人未到の記録を達成した。フランクフルトの日本代表MF長谷部誠(33)が5日、ホームのフライブルク戦にフル出場。ドイツ1部の通算試合出場数を235試合とし、ブレーメンなどで活躍した奥寺康彦の234試合を上回る日本人最多記録を打ち立てた。試合は1―2で敗れ、4連敗を喫した。

 偉大な記録を打ち立てても、長谷部はどこ吹く風だった。「チームの結果が全てなので。そういう意味では、うれしさというのは全くない」。ただ、「ドイツに来てから長かったか」と問われると、語りだした。

 「これから先、もっともっと記録は伸ばしていかなきゃいけないと思いますし、逆に若い選手に抜かれないくらいの、それくらい突き抜けた記録を目指してやりたい」。紛れもない、一サッカー選手としての矜持(きょうじ)だった。

 ドイツに渡って10シーズン目。31年ぶりに日本人最多出場記録を更新した。本職はボランチだが、この日は2戦連続で主将マークを巻いてピッチに立った。センターバックとして守備ラインを統率し、CKとFKのキッカーも務めた。逆点負けでリーグ戦4連敗を喫したが、33歳になったシーズンで、試合を重ねるごとに攻撃面でも存在感を示している。

 記録更新については、地元ドイツでも盛んに報じられた。本人は「日本の報道のせい」と謙遜するが、今季のプレーが2008年のドイツ移籍以降で最も良いと評されていることが大きい。コバッチ監督は「長谷部がチームにいてくれてありがたいと思う。チームにとって大事な選手だ。人間としても、どんなサッカー選手よりも素晴らしい」と特別な賛辞を贈った。

 長谷部にとってドイツは「いい時だけでなく、そうでない時も多くを経験した。大きく変えてくれた場所」という。日本から飛び出したからこそ、外から日本を客観視することができる。日本代表の主将は、これからも選手のお手本であり続ける。

続きを表示

2017年3月7日のニュース